上写真=徳島が雨中の激闘を制し、広島から初勝利を挙げた(写真◎J.LEAGUE)
■2021年5月15日 J1リーグ第14節(@Eスタ:観衆3,190人)
広島 0-1 徳島
(広)なし
(徳)岸本武流
・広島メンバー◎GK大迫敬介、DF野上結貴、今津佑太、佐々木翔、東俊希、MFエゼキエウ(HT:青山敏弘)、茶島雄介、川辺駿(79分:藤井智也)、森島司、FW永井龍(7分:ジュニオール・サントス、64分:鮎川峻)、浅野雄也(79分:長沼洋一)
※実際のポジションで表記
・徳島メンバー◎GK上福元直人、DF岸本武流、カカ、福岡将太(73分:ドゥシャン)、ジエゴ、MF鈴木徳真、岩尾憲、クリスティアン・バトッキオ(61分:小西雄大)、宮代大聖(90分:河田篤秀)、杉森考起(90分:藤田征也)、FW垣田裕暉
※実際のポジションで表記
通算6試合目で初勝利
午前中は晴れ間ものぞいた広島地方だが、午後になって雨が降り始め、強く降る時間帯も。試合中も断続的に降り続き、濡れた芝生でボールスピードが上がる状況での一戦となった。
5月9日の前節から中5日の徳島に対し、12日にガンバ大阪との前倒しの第20節を消化した広島は中2日。コンディションの違いが展開にどう影響するか注目されたが、開始直後に広島にアクシデントが起こった。敵陣左サイドへのロングパスを追った永井が足の筋肉を痛めたような仕草を見せ、直後に座り込んでプレー続行不可能に。J・サントスが投入され、早くも交代枠を使うこととなった。
それでも広島は序盤からテンポ良くパスを回してゴールに迫り、多くのチャンスを作ったが、決めることができない。13分に森島のパスから左サイドを抜け出した浅野の左足シュートは右に外れ、23分には徳島の福岡がエリア内でバックパスの処理をミスしたところに、J・サントスが詰めてゴールに迫るも、切り返しでかわそうとしてシュートまでに時間がかかり、懸命に戻ってきた福岡に防がれた。
28分には右サイドを突破したエゼキエウのセンタリングを、J・サントスがヘッドで合わせたが、これも守備網に阻まれた。なかなかチャンスを作れなかった徳島も徐々に落ち着いてパスをつなげるようになり、38分には岸本が40メートル近いロングシュートでゴールを脅かす。43分には敵陣でのボール奪取から垣田が左サイドを突破してセンタリング、ファーサイドのC・バトッキオが右足で合わせたが、当たり損ねて枠を捉えず。結局、お互いに得点なく前半を終えた。
雨が強くなった後半は一進一退の攻防が続いていたが、63分に徳島が一瞬のスキを突いて先制点を奪った。周囲との連動で森島に寄せてボールを奪った岸本が、前線の垣田に預けて右サイドにフリーラン。鮮やかなカウンターで3対2の状況を作ると、垣田のパスを受けてフリーでエリア内に入った岸本が、詰めてきたGK大迫の頭上をチップキックで抜いてネットを揺らした。
その後は広島が選手交代で攻撃のパワーを高めながらも、思うように攻め込めなかったが、終了間際は怒とうの猛攻を見せた。87分に森島の右からのセンタリングを、ファーサイドの東が左足で合わせた決定機は、左ポストに当たって決まらず。89分にも佐々木が右からセンタリングを送り、森島がファーサイドからヘッドで狙ったが、今度はクロスバーに当たって外れた。
そのまま1-0で逃げ切った徳島は、リーグ戦の連敗を4でストップ。過去に広島とは2008年にJ2で3試合、14年にJ1で2試合対戦し、5戦全敗だったが、通算6試合目で初勝利をつかんだ。来日の遅れから初采配となった第10節から連敗が始まり、リーグ戦初勝利となったダニエル・ポヤトス監督は「チームとしての振る舞い方、戦う姿勢を証明してくれた」とコメント。「勝利はビタミンのように、チームにパワーを与えてくれる要素だと思っている。この勝利はファンの皆様に贈りたい。結果が出ない中でも熱い声援を送っていただいたことが、チームのパワーになっていた。感謝している」と喜んでいた。
現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE