上写真=同点ゴールを奪った白崎凌兵だが、追加点のチャンスを逃し、悔しさを浮かべる(写真◎J.LEAGUE)
■2021年5月5日JリーグYBCルヴァンカップ第5節(@カシマ/観衆8,343人)
鹿島 1-1 福岡
得点:(鹿)白崎凌兵
(福)ジョン・マリ
同点ゴールは見事な連係から。「やっさんだったら出してくれると」
1点ビハインドの31分、右サイドの広瀬陸斗からゴール前の遠藤康にクロスが送られると、背番号41が静かに動き出した。遠藤が相手DFを引き連れて空けたスペースに白崎凌兵が進入し、遠藤のヒールパスを左足でゴールに蹴り込んだ。
「いつも練習で一緒にやっているので、やっさん(遠藤)だったらヒールで(パスを)出してくれると思いました。その通りに良いボールが来て、あとはしっかり(シュートを)枠に入れるだけでした」
福岡に先制を許す展開となったが、白崎と遠藤の見事な連係から生まれたゴールで試合を振り出しに戻し、その後も一気呵成に攻め込んだ。しかし、多くのチャンスをつくりながらも追加点を奪えない。そんな中、69分に再び白崎に決定機が訪れた。
「郁万(関川)がヘディングしたとき、自分としては(ボールが)来てもいいように準備していました。ただ、しっかり枠に決められなかったというのが結果なので…」
CKの流れから広瀬がゴール前にクロスを上げ、関川がヘディングで折り返した。ゴール前で待ち構えていた白崎は右足で合わせるが、ボールは枠を外れ、頭を抱えた。「チームとして勝ち切れなかったという結果に直結したシーンだと思っています。ワンチャンスをしっかりとモノにできるように、自分自身で意識してやっていくしかない」と絶好のチャンスを逃し、勝利をつかめなかった責任を自らに課した。
「今日は自分の力不足で勝てなかった。できれば先に失点したくないけれど、先に失点することもあるのがサッカー。そこで逆転できる力をつけていく必要があります」
チームは勝ち点1を得てプレーオフステージ進出を決めたが、「自分たちはどの試合も勝つことを目指してやっている」と白崎は話す。ホームで勝ち切れなかった悔しさを次なる戦いへの糧にし、深紅の戦士たちはこれからも進化し続ける。
取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE