通算41回目の大阪ダービーは、1-1のスコアで7度目のドローに終わった。5月2日の明治安田生命J1リーグ第12節でセレッソ大阪が無観客のスタジアムにガンバ大阪を迎えたゲーム。均衡を破ったのは、中島元彦の右足だった。ピッチに入る前に頭の中で描いたイメージが実を結んだ。

上写真=74分に右足を振って先制点を決めた中島元彦がこの笑顔!(写真◎J.LEAGUE)

■2021年5月2日 明治安田生命J1リーグ第12節(@ヤンマー/リモートマッチ)
C大阪 1-1 G大阪
得点:(C)中島元彦
   (G)パトリック

「その一つのイメージが実現できたかな」

 藤田直之からのワンタッチのパスを、ペナルティーエリアの中、左寄りでもらうと、左足で止めて右足で右に少しずらしてからコンパクトに右足を振った。寄せてきた相手をかすめるようににして触れて少しだけコースが変わったボールは、ゴール右に吸い込まれるように入っていった。74分、セレッソ大阪が中島元彦のフィニッシュで先制!

 41回目の大阪ダービーで中島はベンチスタート。大久保嘉人が負傷で23分と早い時間でピッチをあとにしたり、前半終了直前に豊川雄太がPKを左ポストに当てて外してしまうなど、0-0のスコアではあるが決して納得の前半ではなかった。

「前半をベンチから見ていて、得点のチャンスがあった中で決めきれずに、同点の状態で自分が入るのがハーフタイムの時点で予想できたので、自分が勝負を決定づけるようなゴールを決めようというイメージを何回もしてピッチに立ちました」

 63分、坂元達裕に代わって登場すると、そのまま右MFに入っていたが、得点シーンの前から流れの中で左にポジションを取っていた。

「どのポジションで出るか分からないので、左ならこういうシュートとかアシストをしようというイメージを選択肢として頭に入れていた中で、その一つのイメージが実現できたかなと思います」

 頭の中の像が結ばれた「大阪ダービー初ゴール」だったのだ。

 とはいえ、そのわずか8分後にPKを決められて同点に。「得点はできましたけど、失点してしまったので次に切り替えたい」と今季2点目の喜びも半減してしまった。

「もっと前に推進力を持ってできるメンバーがいるので、攻撃の意識の共有をもっと練習からやれば、攻撃に迫力が出るのではないかと思います」

 この日のC大阪は決めきれない印象の方が強くなったが、攻撃への可能性を感じているのは確か。中島もその一員になりえる存在だし、新加入のオーストラリア人FWアダム・タガートもようやくデビューを果たすなど、さらなる攻撃のテコ入れが楽しみになってきた。

写真◎J.LEAGUE


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