上写真=2009年にプロキャリアを始め、以来13シーズンに渡って第一線でプレーしてきた東慶悟(写真◎J.LEAGUE)
試合に出るという責任がある
FC東京は現在、リーグ戦3連敗中(10位)。苦しい戦いが続く中で明日、ホームで横浜FMと対戦する。相手は現在4位で9戦負けなしと好調だ。難しい試合になることは間違いないところだが、4連敗するわけにはいかない。しかも近年の対戦では引き分けは少なく、必ず決着がつく。勝つか、負けるか。真っ向勝負が期待される試合でもある。
そんな激闘必至の一戦に、キャプテンの東慶悟のJ1通算300試合出場という大記録達成もかかっている。300試合出場は一朝一夕では達成できない数字。10年以上、コンスタントにトップカテゴリーで出場することが求められるからだ。
2009年に大分トリニータでプロとしてキャリアをスタートさせた東は、翌10年はJ2でプレーしたものの、11年に大宮アルディージャ、そして13年からFC東京でJ1での出場を重ねてきた。昨季は負傷によりキャリアでも初となる長期離脱を経験し、7試合の出場に留まったが、その他のシーズンは常に30試合前後の出場を続けてきた。
「本当に色んな方々に感謝しています。東京に来て100試合、200試合、300試合と達成できている。それだけ多くの試合に出させてもらっているので、チームに感謝したいと思います。試合に出るということは責任があるということだ思う。これからも責任をもってプレーしたい」
もちろん、300試合は通過点だ。「達成すれば、また301試合目のために準備したいと思います」と本人もその先をしっかり見据えている。ただ、その数字はやはり13年のキャリアを積み重ねてきた証であり、重みがある。
「300試合というと、みんながすごいと言ってくれます。色々な失敗だったり、挫折だったり、そういうものを経験してここまで来ました。これからも常に自分にベクトルを向けて試合をしていきたいと思います。こういうふうに負けているときだと、色々なところに目が行きがちですけど、しっかり自分と向き合って、これからもサッカーをやっていきたい」
キャプテンとして、まずは連敗を止め、チームを勝利に導くことが先決なのは当然だろう。個人の記録も、チームが勝ってこそ噛みしめられるということかもしれない。
横浜FM戦で連敗を止め、浮上のきっかけをつかみ、そして自らの300試合を祝う。自分にベクトルを向ける東にとってもそれが最良のシナリオだろう。明日、味の素スタジアムで、そのシナリオを実演することができるか。注目だ。