4月3日の明治安田生命J1リーグ第7節名古屋グランパス戦で負傷していたFC東京の中村帆高が、全治6カ月の重傷であることが明らかにされた。堅守を担う主軸だけに痛いが、新外国人選手のCBブルーノ・ウヴィニが合流し、長谷川健太監督も早期のコンディション改善を促していくつもりだ。

上写真=ブルーノ・ウヴィニの起用についても触れた長谷川健太監督。7連戦をうまく戦うために手腕を振るう(写真提供◎FC東京)

「スマートな選手という印象」

「頭が痛いです」

 長谷川健太監督の口から、つい本音がこぼれる。4月3日のJ1第7節名古屋グランパス戦で負傷した中村帆高が、右膝半月板損傷のため14日に手術、全治までおよそ6カ月かかることが18日に発表された。左膝前十字靭帯損傷の紺野和也、左第五中足骨骨折の渡邊凌磨に続く重傷者が出てしまった。当初の発表では渡邊は夏頃、紺野は秋頃の復帰になりそうで、1月に右足関節前距腓靭帯損傷、両足関節三角骨障害で手術を受けていた品田愛斗はそろそろ戻ってくるタイミングだが、長谷川監督の嘆きも分かる。

 右サイドバックでは「専門職」である中村拓海のほか、J1第10節のアビスパ福岡戦では主にセンターバックを務める岡崎慎がプレー。試行錯誤が続き、長谷川監督も「過密日程で1人だけで回していけないので、適任が見つからなければほかから回していかなければ」とコンバートも示唆している。

 その最終ラインでは、ブルーノ・ウヴィニがついに合流した。4月16日からトレーニングに加わったブラジル代表経験のあるセンターバックについて、長谷川監督はもちろん高評価だ。

「もう全体練習には入っていますが、対人プレーのあるメニューには入れていないんです。明日(21日)あたりからゲーム形式に入れて、という形で考えています。ですからまだ特徴を詳しくは言えませんが、スマートな選手という印象で、クレバーだろうなと思っています」

 実際にどんな形でチームに組み込んでいくかは、さらにコンディションを上げてからの判断になりそうだが、高い適応力はすでに感じているという。

「言葉の理解力については、すでにどんどん日本語を使っていますし、コミュニケーションの面でもいろいろな国でプレーしているので、心配していません。日本サッカーに慣れるのに時間がかかる新外国籍選手は多いですが、早く順応してくれるだろうと期待を持たせるようなプレーヤーだと思います」

 デビューまでしっかり時間をかけつつも、トップコンディションへの道筋は長谷川監督の中には見えているようだ。

「明日のルヴァンカップ(21日の大分トリニータ戦)は厳しいと思いますが、来週のルヴァンカップ(28日の徳島ヴォルティス戦)あたりで状態が良ければ試していきたいと考えています。本調子になるのは時間はどのくらいかかるか分かりませんし、昨年10月中旬から公式戦でプレーしていなくて、試合から半年も離れてしまっています。ですが、試合で使っていかないとコンディションを戻すことは難しいですから、使えるタイミングがあれば積極的に使いたいと思います」

 J1では第9節川崎フロンターレ戦、第10節福岡戦に敗れて今季初の連敗と苦しい。0-1で惜敗した福岡戦については「現状は、苦しい時間帯にもしっかり踏ん張れる力はまだありません。点が取れない状況では、今度は守備が踏ん張るところです。それができれば相乗効果で攻撃もまたいい方向にいくと思います」と話していて、「堅守東京」をもう一度思い出したいところ。

 そのためにも、ウヴィニのブレイクと、そこから刺激を受けた仲間たちの成長が、春から夏にかけてFC東京の行方を占いそうだ。


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