FC東京は名古屋グランパス、北海道コンサドーレ札幌、川崎フロンターレと骨のある相手との3連戦を終えて、仕切り直しの1週間。ここから7連戦となるが、川崎F戦で得た手応えを次のアビスパ福岡戦にぶつけようというのが長谷川健太監督。流れの中から奪った2得点を糧に、堅守福岡を打ち破るつもりだ。

上写真=川崎F戦では敗れたものの、2点を奪った事実を長谷川健太監督は前向きにとらえている(写真提供◎FC東京)

「自分の責任です。彼らには責任はありません」

「多摩川クラシコ」で川崎フロンターレに2-4で敗れてからこの1週間を、FC東京の長谷川監督は「確認に使いました」という。

 川崎F戦は、長谷川監督の言葉を借りれば「行って来い」の展開に持ち込むのが狙いだった。「川崎に勝つためにはこちらもしっかりとビルドアップしなければならない」からだ。しっかりつないで遠慮なく攻める。超攻撃的な相手をただ受け止めるだけでは勝てない。

 結果論だが、その狙いが裏目に出て、8分と17分に自陣からのパスミスがきっかけで連続失点した。

「ミスは出ましたが、やらせたのは私です。彼らに非はないと言ったら語弊があるかもしれませんが、私があえてチャレンジさせたところがあるので、自分の責任です。彼らには責任はありません。どういう状況で選択するのか、どこに狙いがあるのかはチーム全体でもう一度しっかり理解を図りました」

 ただし、やられっぱなしだったわけではない。スコアは届かなかったとは言え、流れの中で2点を奪って追い上げた。

「勝たなければいけないので何とも言えませんが、流れの中で2点を取ることができたのはポジティブです」

 64分の3人同時交代で、選手の並びを4-4-2から3-4-1-2に変更。両翼に内田宅哉と、すでに入っていたアダイウトンを据え、トップ下に高萩洋次郎、FWの一角に好調の田川亨介を投入するなどで活性化させた。

「一つのオプションとして使っていけるのではないか」

「あれは最終手段で持っていたんです」と長谷川監督。

 その効果は、84分のチーム2点目にはっきり表れた。左サイドに開いたアダイウトンがドリブルで中に切れ込んで、高萩に預けると、逆サイドへ鋭いクロス、これを内田がヘッドで決めたものだった。

「状況的には苦しかったですが、アダイウトンをウイングバックに持っていったり、高萩はトップ下でアクセントを作ってくれたので、一つのオプションとして使っていけるのではないか」

 次の対戦相手、アビスパ福岡は川崎Fとは異なり、堅守に定評があるが、この攻撃の好リズムをそのまま持ち込みたい。

「攻撃の良さは福岡戦でも遺憾なく発揮できればと思っています。4-4-2で堅いブロックを作る福岡なので簡単にはいかないとは思いますが、仕掛け続けることができるかどうか。その中でミスしてもカバーできるかどうか。相手のスキを突いてしたたかに戦ってくるチームですから、我慢する部分は我慢して辛抱強く戦えるかがポイントになると思います」

 福岡は14日には川崎Fとアウェーで戦っていて、1-3で敗れたものの、タイトな守備で川崎Fを苦しめている。そんな福岡から勝ち点3を奪うには、FC東京の〈我慢、からの連続アタック〉が王道になりそうだ。


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