横浜F・マリノスが少し足踏みしている。7試合負けなしはさすがだが、ここ4試合で3得点のみとは攻撃的なサッカーを展開するこのチームには似つかわしくない。開幕からピッチで駆け回り続ける扇原貴宏は、いま必要なのは「柔軟性」だと指摘する。もっとアイディアをぶつけて、攻撃サッカーを取り戻す。

上写真=扇原貴宏は開幕から全試合先発出場。攻撃力アップのためにその左足をフル稼働させる(写真◎J.LEAGUE)

「3戦連続3発」とのコントラスト

 1-0、1-1、1-0、0-0。ここ4試合は少なくともスコアの上では、魅力の攻撃サッカーが鳴りを潜めてしまっている。それでも開幕戦の黒星以来、7試合負けなしなのはさすがだが、2節から3試合連続で3得点を記録したあとだから、そのコントラストでどうしてもゴールが奪えていない事実が浮かび上がってきてしまう。

「攻撃のところで得点が取れていないのが課題です」

 そう話すのは、左利きのボランチ、扇原貴宏。ここまで全試合に先発出場しているキーマンだ。

「それは個人の問題というか、試合中の柔軟性が必要なところだと思っています。もちろんチームとしての形はありますけど、ピッチの中でもっと柔軟性、個人個人のアイディアを大事にしていきたい」

 得点源のマルコス・ジュニオールが負傷で2試合に欠場した影響もあるものの、4試合で3ゴールのみというのは横浜FMらしくはない。

「真ん中を使えればサイドが生きてくる」

 扇原にはもちろん打開のイメージがある。

「ポジションを少しずつずらしていくことができれば。相手を動かすポジショニングですね。あとは、相手を追い越すことをやっていかなければならないと思います」

「一人ひとりの距離感の問題だったり、もう少し真ん中への縦パスや相手が嫌がるバイタルエリアに人数が入ってそこにボールを入れていけばいいと思います」

「個人個人がどこにスペースがあるか見つけなければいけない。ピッチ内で意識を合わせる必要はあるのかなと思います。ボールの動かし方も積極的にアグレッシブにやっていきたいし、横に動かすだけではなくて相手の嫌がるところで動かせば、自分たちの形が出ます。真ん中を使えればサイドが生きてくると思うし、そうやって自分たちでスペースをつくり出すことが必要です」

 いずれも選手とボールの活性化に関わる話だ。

 次節は北海道コンサドーレ札幌とのアウェーゲーム。敵地での札幌戦は2018年が1-2、19年が0-3、昨年は1-3と分が悪い。

「やることは変わらないですが、札幌のアウェーは苦しんでいるイメージがあります。得点を取らないと勝てないので、そこを意識してやれればいいと思います」

 だからこそ、改めて「横浜FMのスタイル」に立ち返る。

「僕たちは敵陣でサッカーがしたいので、相手陣内でどういうサッカーするかです。ボールの動かし方や時間の作り方については、前でもっとプレーすれば相手の陣形を崩せると思います。もっとボールサイドに人数をかけてもいいと思うし、例えばすぐにサイドチェンジするのではなくて、同じサイドで崩せるところは崩していければいいと思います」

 今年は、札幌を「逆襲の地」にしてみせる。


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