上写真=三笘薫が61分にチーム3点目。前半に一度はVARで得点が取り消されたこともあり、喜びが弾けた(写真◎J.LEAGUE)
■2021年4月11日 明治安田生命J1リーグ第9節(@味スタ/観衆17,615人)
FC東京 2-4 川崎F
得点:(F)アダイウトン、内田宅哉
(川)家長昭博2、三笘薫、レアンドロ・ダミアン
「行って来いの展開を作れたのは効果があった」
川崎フロンターレが強い理由はいろいろあるけれど、相手のミスを見逃さずにそのままゴールに結びつけてしまうのが、その一つ。
最終ラインでつないで前線に蹴りだしたFC東京のセンターバック岡崎慎のパスはジョアン・シミッチが回収、レアンドロ・ダミアン、家長昭博とゴールへの最短距離を縦につないで、家長がヘッドで突き刺した。それがわずか8分のこと。17分には青木拓矢のつなぎのパスがずれたところを三笘薫が拾って縦へ、レアンドロ・ダミアンが右前に出すとそこにまたも家長が現れ、左足でワンタッチでゴール左に送り込んだ。
取られたら取り返すのも、強さの理由。FC東京が59分にカウンターから最後はアダイウトンが決めて1点を返したが、その2分後には川崎Fがまたも相手のミスを見逃さなかった。山根視来のセンタリングをFC東京の中村拓海がこぼしてしまい、すかさず奪った三笘薫がそのまま蹴り込んで、あっという間に3-1としてリードを再び2点に広げた。
セットプレーからダメ押し点を奪ってみせるのも、さすがだった。75分に脇坂泰斗のFKを谷口彰悟がヘッドで中へ、これをレアンドロ・ダミアンがワンタッチで仕留めてみせた。
FC東京もこのあと84分に内田宅哉のJ1初ゴールで詰め寄るが、そこまで。
またしても強さを見せた川崎Fは、これで早くも9勝目だ。鬼木達監督が試合後に強調したのは、ボールを争うバトルの部分。「そこで東京に劣ったらゲームは持っていかれるのは分かっていたので、自分たちが上回らなければいけなかった。前節もそうですがしっかり体現してくれましたし、プライドを持ってやっているのが見ていて頼もしかったです」と戦うベースを貫いて、4連勝を達成した。
FC東京は4-4-2の布陣で試合を進め、後半に投入したアダイウトンと内田のゴールで追い上げただけに、前半早々のミスからの2失点が痛かった。それでも長谷川健太監督は、攻撃への意欲を4-4-2に織り込んだことを明かして、プレーで表現できたことに強い手応えを得ている。
「1点目をいい形で右から崩して取れたことが一つの効果でした。前半も何回かしっかり動かしながら川崎のゴール前まで運べていました。だいたいいつもだと川崎にラッシュされてシュートもなくて前半が終わることもありましたが、そういう展開にならずに、多少は行って来いの展開を作れたのは効果があったと思います」
最強攻撃陣を誇る川崎F相手に守り倒すのではなく、攻めてやり合う。そのポリシーは貫くことができた。
現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE