上写真=今季の出場3試合にすべて勝利。内田宅哉が勝利を呼び込む(写真提供◎FC東京)
「武藤選手が着けていて価値の高い番号」
FC東京のMF内田宅哉は今季、3試合に出場して、そのすべてで勝利を収めている。ルヴァンカップ第1節のヴォルティス徳島戦に1-0、J1第5節湘南ベルマーレ戦に3-2、第6節ベガルタ仙台戦に2-1だ。リーグの2試合は途中からの投入だったが、役割は整理できていた。
「昨年、たくさん試合に出させてもらってピッチの雰囲気に慣れてきたのもありますし、勝っている状態のときに何ができるのかは整理して考えてできているので、それをこの2試合で表現できたと思います」
2020年は超過密日程で総力戦。内田もキャリアハイの25試合に出場した。ルヴァンカップ決勝でも89分に最後の最後でピッチに飛び出していって、逃げ切りのために走り回って優勝にたどり着いた。勝利を確実に手に入れるために、何をすればいいのか分かっている。
「交代する前に監督からも勝つためのプレーを要求されています。状況を見て、自分が入ったからには勝たないといけないし、それがシュートを打ちにいくことなら積極的にいった方がいいだろうし、疲れているならみんなを引っ張って守備を整えるのは考えていること。それはこれからも意識したいと思います」
今季の「出場全勝」は、もちろんもっと試合に出たい思いはありながらも、悪いことではない。
「自分が出て勝つのは、自分の中ではいいことですし、これを続けていきたいと思います。そのために自分も結果を残したいので、チームの勝ちも考えつつ、自分の持ち味、結果に対する意欲を貪欲に出していきます」
刺激になっているのは、FC東京の代表選手たちだ。3月25日の日韓戦で小川諒也が代表デビューを果たした。
「正直、あの諒也くんでも緊張しているなと感じて、でもあのピッチに立ったら自分も緊張するだろうし、自分の持ち味を出すのは大変なことだと思います。自分もいつかあのピッチに立ってプレーできるように、東京で活躍したい」
U-24代表には渡辺剛と田川亨介が選ばれている。同学年の田川は同じ攻撃スタッフとして高め合う中だ。上記の湘南戦と仙台戦では2試合連続ゴールと調子を上げている。
「得点を取って勝利に導くプレーはすごくできていて、自分も結果を残して勝利に貢献したい目標の中でやっているので、目の前で見せられて負けていられないなというのが一番の正直な思いです」
今季は背番号14をまとう。昨年の28から半分になる「出世」だ。もちろん、寄せる思いはある。
「もともと自分が小学校のときとか中3、高3で着けていた番号で、好きな番号でもありました。東京では武藤(嘉紀)選手が着けていて価値の高い番号だと思っていて、もらったときにはいいプレーをしなければという責任を感じました。今年は選手会長にもなって責任を感じる年ですけど、それを超える活躍をしたいと思います」
しゃにむに結果を求め、田川に勝って武藤を超えて。内田の2021年はまだ始まったばかりだ。