サンフレッチェ広島DF今津佑太が、予想されていたCBだけでなく、右SBでも存在感を発揮している。正確なスルーパスやセンタリングで得点機を作り、本人も手応えを確固たるものにしていこうと意欲的だ。

上写真=加入1年目、J1初挑戦で好プレーを見せている今津(写真◎石倉利英)

「本当に一瞬だった」

「ハヤオのおかげでパスが2倍、良く見えましたね」

 今津が笑いながら語ったのは、3月21日の明治安田生命J1リーグ第6節、大分トリニータ戦でMF川辺駿のゴールをアシストしたシーンだ。1-1で迎えた87分、相手のパスをインターセプトすると、ドリブルで2人をかわして敵陣に侵入。前方でスタートを切った川辺に右足アウトサイドでパスを出すと、川辺が前に持ち出して相手DFを振り切り、右足で蹴り込んだ。

 今津は鮮やかなスルーパスのイメージについて「パスが長くなって、相手のセンターバックが(川辺と)入れ替わって取れるのが一番ダメだと思った。ハヤオの前に置いてあげれば、あとはハヤオが外にはたいてもいいし、自分で行ってもいいと思ったので、出した」と振り返る。確かに「ハヤオのおかげで」という面もあったにせよ、「本当に一瞬だった」という選択と正確なキックが、3-1の勝利につながる逆転ゴールを生み出した。

 ヴァンフォーレ甲府から完全移籍で加入した今季、予想されていたCBだけでなく、右SBでも先発出場の機会をつかんでいる。大分戦のアシスト以外にも、第5節の清水エスパルス戦では右サイドから鋭いセンタリングを送り、MF浅野雄也の決定機をお膳立て。清水GK権田修一のファインセーブに阻まれて得点にこそならなかったものの、印象的な働きを見せている。

 大分戦のアシストは、起用した城福浩監督も「あのパスには驚いた」と語ったが、本人は高校時代以来というSBでのプレーについて「相手を見ながら、面白さを感じてプレーできている」とコメント。落ち着いた試合展開の時間帯でのプレーに課題を感じていると語る一方で、「オープンな展開になったとき、サイドの戦いで負けないように、自分たちが優位になれるような働きができれば」とプレーをイメージしている。

 J1初挑戦のシーズンで「通用するところは通用しているけれど、足りないところがあるのも事実」と感じており、「勝利を手繰り寄せられる選手になるために、もっと取り組んでいきたい」と未意欲十分。「しっかり守って、チャンスがあれば得点したい」と、今後も攻守両面での活躍を誓った。

取材・写真◎石倉利英


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