ベガルタ仙台戦で決勝ゴールを挙げたのが、ディエゴ・オリヴェイラだ。2試合連続となる得点でFC東京に勝利をもたらした。チームに推進力を与え、優れた技術でゴールをこじ開けるナンバー9の凄みが戻ってきた。

上写真=ゴールを挙げてこぶしを突き上げるディエゴ・オリヴェイラ(写真◎J.LEAGUE)

■2021年3月21日 明治安田生命J1リーグ第6節(@味の素ス/観衆4,402人)
FC東京 2-1 仙台
得点:(F)田川亨介、ディエゴ・オリヴェイラ
   (仙)蜂須賀孝治

直近4試合で3ゴールをスコア

 前半43分だった。敵陣深い位置の仙台のスローインから一連のプレーは始まった。ジョアン・オマリが左サイドで競り勝って頭で前方に送ったボールに、D・オリヴェイラが反応。下がりながら胸で東慶悟にボールを落とした。そしてすぐに東からの折り返しを受けると、素早く反転。相手DFシマオ・マテが寄せに来たのを確認し、ボールを軽くつついて股を抜く。一気にボックス内へと進入するや、GKの位置を確認して右足でコントロールショット。ゴール右隅へと見事に流し込んだ。敵将、手倉森誠監督も「スリッピーなピッチを利用したのは彼のうまさ」と、その速さとうまさ、判断力を嘆くしかなかった技ありのゴールだった。

 本人も「サイドからの攻撃だったと思いますが、東選手からボールを受けて反転して、そこからうまくゴールまで行けたと思います。非常に良いゴールでした」とフィニッシュに至る流れるようなプレーを振り返った。結局この前半終了間際のゴールが決勝点になった。D・オリヴェイラは前節の湘南ベルマーレ戦に続き、2試合連続ゴール。連勝に大きく貢献した。さらに言えば、ここ4試合で3得点と量産体制に入っている。

「ゴールはいつも決めたいと思ってプレーしていますが、簡単ではありません。しかし今、コンスタントにゴールを決めることができて、チームに貢献できていることをうれしく思います」

 今季は入国後に自主隔離期間もあり、キャンプへの合流が遅れた。そのために、なかなかコンディションが上がらず、開幕時点でもベストな状態には程遠かった。だが、しり上がりに調子を上げて、長谷川健太監督も「だいぶ戻ってきた」と現在の状態を評価する。実際、D・オリヴェイラの復調と比例するように、FC東京に推進力とゴールが生まれ始めた。

 さらに仙台戦の後半のアディショナルタイムには守備でも大きく貢献した。相手CKの場面で加藤千尋にヘディングを決められたが、ポストの内側に立っていたD・オリヴェイラがライン上でクリア。失点を防いだ。「普段の練習からやっている形」と本人は事も無げに振り返ったが、1ゴールを挙げたのに等しいビッグプレーだった。

「ゴールという結果は、自分が調子がいいからではなく、チームメイトも素晴らしいプレーを見せてくれているからです。自分一人でゴールを奪えるわけではありません。チームも私も今は得点が奪えているが、長いシーズン、なかなかゴールが生まれないときもあるでしょう。理想はゴールという形ですが、そういうときもチームプレーで貢献したいと思います」 

 チームファーストを忘れない青赤のナンバー9は、そう言って結果に満足せず、今後も変わらぬ姿勢で戦っていくと誓う。代表ウイークによりリーグ戦は中断するが、次節(4月3日)は無敗を続けている好調な名古屋グランパスが相手。FC東京も3連勝がかかる。負けられない試合で勝利を収めるためには、チームのために常に全力を尽くすD・オリヴェイラの力が欠かせない。


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