上写真=湘南戦に向けてトレーニングを指揮する長谷川健太監督(写真提供◎FC東京)
今は点を取れているが、攻撃は水もの
前節、苦しみながらも湘南に3-2で競り勝ち、今季2勝目を挙げ、通算2勝2分け1敗と白星が先行する成績とした。しかし、長谷川健太監督は「手応えは全くない」と試合を振り返った。
「仙台戦が大事な試合になると思っています。苦しみながらもしっかりと勝ち切ったのは非常にプラスの材料になると思っていますし、勝つことによって自信を得ることになるとは思いますが、これで乗っていけるというような試合展開でもなかった。次の仙台戦で、しっかりとした試合ができるかというところが大事だと思います」
湘南戦は先制を許し、追いついて勝ち越したものの、79分に再び追いつかれるという苦しいゲーム展開だった。渡辺剛の勝ち越し弾で何とか勝ち切った印象も強い。安定した戦いぶりとは言えず、良い勝ち方でもなかった。
指揮官が言うように、苦しいゲームをモノしたことは「プラス材料」だが、そのプラスは次につなげてこそ意味も出てくるものかもしれない。仙台戦に勝てば、今季初の連勝となる。
「当然、(仙台は)アグレッシブに来ると思っています。こういうときだからこそ、さらに圧を高めてくるだろうと。仙台は1週間(試合間隔が)空いていますので、しっかりと確認したと思います」
仙台は4戦して、いまだ勝利なし。当然、今回の試合での勝利を目指して、この1週間準備したはずだが、中3日で臨むとはいえ、FC東京としては『構えて戦う」ことだけは避けたいところだ。今季、勝ち点を落とした試合はいずれも、開始からアグレッシブに戦うことができずに受けに回ってペースを相手に握られている。過ちを繰り返さないことが、仙台戦の重要なポイントだろう。
また、今季は定評のある守備面が心もとない。キャンプから攻撃面のブラッシュアップを掲げ、ルヴァンカップの徳島戦も含めたここ6試合で11得点をマーク。毎試合得点も成し遂げており、確かに攻撃面の向上は図ったように映る。ただその一方で、その徳島戦以外のリーグ戦5試合すべてで失点し、クリーンシートが一度もないのだ。
「毎回、言っていますが、攻撃は水ものなので、今は取れていますが、いつ取れなくなってもおかしくないと思っています。逆にもっと締まった試合をしていかないといけないと思います」
湘南戦の3-2というスコアについて触れた指揮官は、「締まった試合」という表現で、守備面改善の必要性に触れた。仙台戦で目指すのは、先制して複数得点を成し遂げ、そのうえで無失点に抑えることだ。湘南戦の教訓を生かして、タイトでソリッドな戦いを披露し、開幕から続いた7連戦を勝ち越して終えたいところ。
指揮官が言う「重要な一戦」は明日21日の13時、雨予報の味の素スタジアムでキックオフとなる。