上写真=2ゴールを決め、試合後に笑みを浮かべる鹿島アントラーズの荒木遼太郎(写真◎J.LEAGUE)
■2021年3月10日 J1リーグ第3節(@カシマ/観衆4,546人)
鹿島 3-1 湘南
得点:(鹿)荒木遼太郎2、町田浩樹
(湘)岡本拓也
指揮官も絶賛。「日本代表を目指してほしい」
この日もカシマスタジアムのサポーターに歓喜を届けたのは背番号「13」だった。
まずは前半開始早々の3分、土居聖真のクロスは相手DFにクリアされるも、そのボールを荒木遼太郎がペナルティーエリア内で拾い、右足で豪快にゴールネットを揺らした。
「相手のクリアボールが自分のところに来たので、冷静にファーストタッチをして、いいところにボールを置けた。あとは(右足を)振り抜いて決めるだけでした」
後半には相手陣地の中央で永木亮太からパスを受け、右サイドの広瀬陸斗へボールを預ける。そして、すぐさまペナルティーエリアの空いたスペースへと走り込み、またも右足を振り抜いた。
「陸斗くんにパスを出して、相手がいないスペースに自分が走り込んだら、そこに陸斗くんが(パスを)出してくれました。(シュート)コースを見て、ワンタッチで流し込むだけでした」
荒木の2点目が60分に決まり、鹿島が勝利を手繰り寄せた。開幕戦では先制ゴールを挙げた後にすぐさま相手に同点とされ、結果的に逆転負けを喫したが、リーグ戦2試合目となる湘南戦ではチームとしても同じ過ちを繰り返さなかった。
「自分の結果も大事ですけれど、チームために走って、これからも戦い続けたい。まだまだチームのために活躍したいと思っています」
ルーキーイヤーの昨季も活躍を見せていたが、プロ2年目のスタートはリーグ戦2試合連続ゴールと絶好調。荒木自身も「調子は非常に良い」と話す。ただし、「自分のゴールは周りの選手のおかげ」と強調する。
「開幕戦のゴールは、エヴェ(エヴェラウド)がヘディングして、こぼれたところにいたのが自分だった。今日も聖真くん(土居)のクロスからだったり、陸斗くんのパスからだったり、周りの選手のおかげで自分が点を取れています。(チームメイトに)感謝しながら、どんどんゴールを狙っていきたい」
そんな荒木について語るザーゴ監督の言葉からも、期待の大きさがうかがえる。
「昨年のキャンプから何か違うものを持っている感覚はありました。少しずつ練習を重ね、いい形で成長していると思います。将来的にレギュラーになる力を持っているし、また、アントラーズのレギュラーだけではなく、日本代表というところをしっかり目指してほしい。そうなるように、彼をサポートしていければと思います」
荒木自身も、チームの勝利と自らのさらなる成長のためにどん欲だ。
「まだまだ、どんどん結果を残して、代表に入っていけたり、チームを優勝に導ける選手になりたいなと思っています」
伝統のエースナンバー「13」を背負い、自らのゴールで鹿島を勝利に導いた。そんな荒木遼太郎のプロ2年目の進化は、まだまだ止まらない。
取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE