上写真=リーグ優勝を目標と明言する長谷川健太監督。得点力アップをポイントに挙げている(写真提供◎FC東京)
40点・10点・10点
J1優勝。長谷川健太監督が明言した2021年の目標だ。しかも、現実的に。
「一昨年は2位ともう一歩で、昨年はルヴァンカップで優勝と、選手もリーグ優勝を現実的な目標としてとらえるようになってくれたと思います。ファン・サポーターの皆さんも期待してくれていると思いますので、リーグ優勝へ一丸となって戦っていきたいと思います」
リアリスティックにリーグ制覇を口にできるだけの自信がみなぎる。
「貪欲にどれだけ戦えるかだと思います。行動を起こさなければタイトルは取れませんし、そこにリスクははらむでしょうが、セオリー通りでは勝ち星は来ません。私たちはチャレンジャーなので、アグレッシブに貪欲に戦っていきたいと思います」
とはいえ、「いまのところ、上積みは何もないです」と慎重な姿勢を崩さないのも健太流。
「これは始まってみないと何とも言えません。もちろん上積みしようとキャンプから取り組んできていますが、始めからうまくいくとは思っていませんから、我慢する時期も必要でしょう。現状でここで上積みができていて必ずうまくいきます、ということは言えないんです」
リーグ優勝を実現するために設定したのが、60ゴールの獲得だ。言及したのは主に3つのポイントで、サイドからの攻撃がその一つ。
「実際にクロスを上げる方だけではなくて、中の入り方を改善しないとクロスから入ることはありません。左サイドからもそうですし、室屋(成)が移籍したあとに右サイドバックに入った(中村)帆高や(中村)拓海のアシストが増えてこないと、得点は上がってきません。サイドの崩しからの得点がチームとしてしっかり取れるようにしていかないと」
2つ目が4-3-3システムにおけるインサイドハーフで得点を増やすこと。
「インサイドハーフの得点でも、東(慶悟)がケガをしていたことがあったにせよ、安部(柊斗)、三田(啓貴)ぐらいしかありませんでした。そこで合わせて10点を取ってくれると楽になるので頑張ってほしいと思います」
そしてもちろん、3トップに立つ選手たちのゴールが最も重要だ。
「誰が軸になるかは分かりませんが、ポジションを争う4、5人で40点以上はいかないと難しいのではないかと思っています」
3トップで40点、インサイドハーフで10点、そのほかで10点。もちろん、そんな皮算用の通りにいくわけではないのがサッカーだが、目標が明確であることにデメリットはない。
「どのチームも特徴があって難しいチームが増えたと思っています。相手がどこであれ、100パーセントの力で臨まないと勝ち点すら取れないと思っています。持っている力をすべて出して戦いたい」
一番高い場所を目指して、埼玉スタジアムで第一歩を踏みしめる。