上写真=カウエのことは以前からいい選手だと思っていたと長谷部茂利監督。外国籍選手7人体制で臨む(写真◎スクリーンショット)
攻撃の強度、守備の質
長谷部茂利監督にとっては、アビスパ福岡で2年目の指揮。昨年の積み上げが大きな武器になっている。
「(昨年1年間で)戦術などをある程度、落とし込んである選手がすでにいます。新加入選手が入って選手同士でコミュニケーションを取って伝えているところもありますし、もちろん練習で高めているところもあります。ですから、去年よりチームになるのは早いと思いますし、感触はいいですが、数字や言葉を並べても、やってみて初めて分かることですから」
1年という時間の積み上げ、昨年プレーしていた選手から新加入選手への情報共有が、好スタートを期待させる。一方で、実戦に身を投じてみて初めて分かることもあるという現実も見据えている。
「数字で出るような、例えばポゼッション率を上げたいとか、ボールを動かして崩していこうというところも含めてトレーニングに入れています。ただ、急に上手になるわけではありません。ですから、一つひとつの質を上げよう、強度を上げようと話しています。強度というと守備のことのように感じるかもしれませんが、もちろん攻撃面のことも指していますし、質というと攻撃を連想するかもしれませんが、守備の質も大事です」
開幕戦は2月28日、ホームの名古屋グランパス戦だ。いよいよカウントダウンに入っていく。だがもちろん、シーズンはその試合だけで終わるわけではない。
「少しでも100パーセントに近づけるようにしていきますが、仮に80パーセントであっても、その80の100パーセントを出せることを考えているので、少しでもいい状態で開幕に臨みたいと思います」
昨季は堅守が強みとなって混乱のJ2を勝ち抜いた。2月16日からはブラジル人ボランチのカウエも練習に加わり、守備の強化を図っている。
「攻守に渡って福岡がやろうとしていることに順応できそうですね。実績やプレーを見ていると頼もしい限りで、貢献してくれるのではないかなと思います」
「非常に良いコンディションだと思います。言葉の端々にポジティブな単語が入ってきますし、意欲的に取り組んでくれています」
「日本でプレーした通り、ボールを奪ったり前線に配ったり点も取れますし、サイズを生かしたプレーもできます」
堅守をJ1レベルに高めるための補強になった。そしてもちろん、守備のパワーはJ1でも生かしていく。
「自分たちのスタイルをぶつけて、どこまでできるか試したいと思います」
名古屋は攻撃のタレントを加えて、さらにパワーアップしたアタックが自慢のチームになった。そこに堅守をぶつけて、勝利をもぎ取る狙いだ。