上写真=沖縄キャンプで厳しくも明るくトレーニング。長谷川健太監督も充実の笑顔だ(写真◎FC東京)
「力を100パーセント出せればタイトルに手が届く」
FC東京が悲願のJ1優勝を本気で取りにいく2021年。長谷川健太監督はそのために必要な要素に「60得点」を挙げた。
「今シーズンは4試合増えるので、60得点をチーム全体で目指していこうと。そのためにはさらなる攻撃の形を磨いていかなければいけないと思っています。組み合わせを試す期間をうまく使えているので、オプションや新しい形を見出すためにも1回1回の練習を大事に行っていきたいと思います」
昨季は34試合で47得点、1試合平均は約1.4点だった。今年はそれをおよそ1.6にまで引き上げる計算だ。
「現実路線なので、自分たちのできる範囲で戦っていきたいですが、自分たちの力を100パーセント出せればタイトルに手が届くチームだと思っています。だから、60というのがいま持てる数字です。失点も多かったので、そこを減らして得失点差にフォーカスしたい」
攻撃への好感触がそう言わせるのだろう。
「新加入の2人がなじんでいるのが早いなと思いますね。渡邊(凌磨)は特にJ2で追いかけて見ていたわけではありませんが、チームに入ってきて見たら非常にポテンシャルの高い選手だなと思っています。青木(拓矢)もベテランらしくチームに溶け込むのが早くて、浦和でいろいろな監督の下でやっているので戦術理解もしっかりしています」
開幕までに探していく新しい組み合わせがどんなものになるかは興味深い。昨年は4-3-3システムをベースにして、ディエゴ・オリヴェイラ、レアンドロ、アダイウトンのブラジリアントリオに、超俊足の永井謙佑を加えたスピード&パワーのFW陣が売りだった。
「現実的に60をクリアするためにどういう組み合わせがいいのか。前の3人で40発取らないとクリアできないですし、昨シーズンは得点が少なかったインサイドハーフが絡んでこないと届きません。どんな組み合わせがベターなのか考えていきたい」
アタッカー陣の顔ぶれを見ていくと、上の4人のほかに田川亨介、三田啓貴、東慶悟、内田宅哉、安部柊斗、紺野和也、渡邊と多士済々。昨季アンカーに入った高萩洋次郎、品田愛斗、そして青木も効果的なパスセンスを持っている。
ということは、あとは組み合わせの妙がポイント、というわけ。長谷川監督の手腕が、東京にケミストリーを起こすのだ。