横浜FCの下平隆宏監督の笑顔が止まらない。和歌山での1次キャンプを終えて宮崎の2次キャンプで鍛えているが、1次キャンプの総括として早くも得点力アップの予感を口にしているのだ。新戦力の充実度は相当高いようだ。

上写真=下平隆宏監督が1次キャンプを終えて早くも目標達成への手応えを口にした(写真◎YOKOHAMA FC)

「選手マネジメント」の刺激

 下平隆宏監督の攻撃陣への期待は、早くもマックスレベルだ。

 1月20日から25日まで和歌山で、28日から2月8日までは宮崎で、と、横浜FCが2月27日のJ1開幕に向けて、2段階キャンプで鍛えている。

 宮崎キャンプ初日の練習後に下平監督が目を輝かせて口にしたのが、得点力アップへの大いなる予感。

「うちの課題は明らかで、最終的なゴール前でのフィニッシュの質、つまり得点力を上げないと難しいんです。1次キャンプを終えたところですけど、フォワード陣のクオリティーが高くて、ビルドアップは去年からの積み上げがあって、そこからさらに前線に入ったときのボールの収まりやコンビネーションは誰が見ても分かるぐらい、格段に上がっています。得点の匂いがするというか、得点に近づくシーンはより増えている印象ですね」

 1次キャンプでは新戦力を含めて一体感を作り上げることと、ばらつきのあったコンディションを上げて整えていくことを目標に掲げていた。すでに10対10のゲーム形式のトレーニングに進むぐらい順調だということで、2次キャンプに進む前にもう、「得点の匂い」を口にできるほど高まっているのだ。

「理由は2つあって、まず単純にシュートトレーニングでのクオリティーが違います。それから、10対10の形式で2回ほどやりましたけど、ボールが入っていけば得点につながりそうだし、クロスへの入り方を含めて非常に迫力があります。無理が効くなという印象もありますし、スタッフとも全然違うねと話しているんです」

 シュートそのものの技術と、その技術を生かすための方法論がハイレベルだというわけだ。期待しないわけにはいかない。

「今年の新加入選手はストライカータイプがクレーベ、渡邉千真、伊藤翔、ジャーメイン良といて、ジャーメインはサイドもできますが、ドシッとしたストライカータイプが多いので、2トップがいいのかなと考えています。まだ決めてはいませんが」

 2次キャンプでは実戦に向けたトレーニングが増えていくが、すでに下平監督の頭の中ではイメージがどんどんと湧き出しているようだ。

「1次キャンプで10日ほど練習してきて、2次キャンプは約2週間、その中でトレーニングマッチを3試合行う予定です。新戦力の選手たちの戦術的な理解がより深まっていけばと思っています。あとはメンバーの選考と組み合わせとを考えていきますが、動きながらというか流動的にやっていきながら、いまは決めつけないでいろいろな選手の特徴を踏まえて、さらに残り2週間でベストなチョイスができればと考えています」

 そんな逆算で順調にキャンプが進むが、オフの間にJクラブの監督たちと情報交換して得た刺激に好影響を受けているという。中でも重要だったのが、マネジメントについて。

「いまは海外には行けないので、海外のサッカーを映像で見たり、他のクラブの監督さんといろいろな話をして情報交換はしていました。参考になったのは、戦術はもちろん大事だけど、ピッチでプレーで表現するのは選手だから、という選手へのマネジメントの部分。話をして影響を受けるところがありました」

 策に溺れず、選手と向き合っていく。昨季、チーム全体で体得した巧みなビルドアップをベースに、攻撃力が高まっている。ポジティブな要素がどんどん増えている。

「クラブとしてはJ1残留が目標ですが、しっかり定着するという意味でも降格争いに絡みたくはないですね。残留するだけでは定着ということにはつながっていかないので、10位以内と目標を設定していて、リーグの半分近い位置にいかなければいけないと意識しています。1次キャンプが終わったところですが、手応えは非常にいい。チームの土台がある中で得点力のある選手が加わって非常に楽しみです。いまのところは(目標達成に)行けるんじゃないかなという手応えがあります」

 自信がなければ口にはしない。


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