上写真=オンラインで取材に答えるクルピ監督(写真◎スクリーンショット)
選手の長所を見ながら選ぶ
最初にセレッソ大阪の監督に就任した1997年には、1シーズンでブラジルへ帰国した。その後、2度にわたりC大阪を率い(07-11、12-13)、計8シーズンを日本で過ごした。今回はC大阪での4期目。「僕の人生でセレッソは自分の家だと思っている。ブラジルに帰ってもまた帰ってきたいという思いがあったので、戻れてうれしく思う」とクラブに対する思いを語る。
ただ、8年の歳月の中で多くの変化もあった。選手の顔ぶれも前回指揮を執った2012-13年から大きく変わり、今も所属するのは清武弘嗣ら数名のみ。一から構築することも必要になるが、「強化部やテクニカルスタッフ、選手や大阪の街も変わったりするが、私のやっているサッカーは変わることはない」と断言した。
指揮官が求められているのは、攻撃的なサッカーだ。そのためにはまず、選手たちを知ることから始めると説く。
「攻めに関しては、30人いる選手の個性をどう生かすかを見抜くことが必要。その中でコンビネーションや練習での様子を見て、連係が良い選手を出していけば自然と結果につながっていくと思う。選手の個性と私の考えがマッチしたら、攻めるサッカーにつながっていく」
「選手は30人いて、その中から11人を選ぶのは難しい。(練習が始まってからの)この数日だけで選手を覚えるのも大変だが、どの選手が誰と仲が良いかなど、選手の長所を見ながら選んでいく」と、チームづくりを一歩ずつ進めている。
これまでC大阪は香川真司や清武弘嗣、乾貴士と、世界へ羽ばたく若手を輩出した。そうした若い才能の発掘には、「ジュニアユースでも18歳でも、本当にできると思えば絶対に試合に出す」と、勝利のために広くチャンスを求める構えだ。
このオフには多くの選手の入れ替えがあったが、「(J1の全)20チームが優勝を目指している中でやらなければいけないのは、チームが一丸となって戦うこと。選手たちがどういう目標をそれぞれ立てているかが鍵になると思う」と指揮官。セレッソという我が家で生きる家族とともに、満開の桜を咲かせんとしている。