上写真=オンライン取材に応じる天野純。新シーズンのタイトル奪取を誓った(写真◎J.LEAGUE)
タイトル獲得に向けてやるだけ
昨季途中に期限付き移籍先のロケレン(ベルギー)から戻ってきた天野にとっては、2年ぶりに迎える横浜F・マリノスでの始動となった。ヨーロッパとのシーズンの『ズレ』により最後のオフも2年前にさかのぼるわけで、過密日程の後の短いオフには「あと3カ月くらいほしい」と苦笑い。
だが、「みんなとまた集まって、このチームで1年間戦っていくんだというワクワク感と、また新しい競争が始まるという緊張感と、いろいろ新鮮な思いを持ちながらサッカーしています」と、フレッシュな胸の内を語った。
ヨーロッパで過ごしている間に、取り逃したものが他にもある。リーグ優勝というタイトルだ。ベルギーへと旅立ったシーズンに横浜FMは15年ぶりのJ1制覇を成し遂げたが、連覇に挑んだ昨季は9位に終わった。「個人としても非常に悔しいシーズンだったし、何よりも結果を残せなかったという点では悔いが残るシーズン」と天野。「個人的にタイトルへの思いは強いものがあるので、そこに向かってやるだけ」と、改めて意欲を語った。
昨季の失意を乗り越えるために必要なものとして「変化」を挙げる。「まずは初戦の川崎F戦で、去年のマリノスとはまったく違ったところを見せようと監督も話していたし、選手もそのつもりで初日からハードワークを続けている」と、目標へ向かって前進を続けている。
昨季はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)も経験したが、「ACLで感じたが、いくら自分たちのサッカースタイルを出したとしても、球際の部分で後手を踏むと相手のリズムになることが多かった。そこでも勝ちつつ自分たちがボールを握れば勝つ確率は上がっていくと思うので、そこは極めていきたい」と、これまでのスタイルを貫きつつも、ベースをさらに高めていくつもりだ。
今年の7月には、30歳の誕生日を迎える。年齢については「あまり言わないでください」と笑ったが、「まだ成長できるところを見せたい」と表情を引き締めた。「どれだけ成長できるかに毎日取り組みながら練習している」と、少しの時間も無駄にすることなく、まずは「神奈川ダービーだし、昨季の王者だし、自分たちの変わった姿を見せる格好の相手」という川崎Fとの開幕戦へと突き進んでいく。