上写真=マリノスケに大胆発言も!? 指揮官の2年越しのオファーを受けて加入した岩田智輝(写真提供◎横浜F・マリノス)
激しいポジション争いも歓迎
待ち人、来たる。新戦力の加入に横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督は、「良い選手たちが来てくれたと思っている。岩田は2年連続でオファーして、ようやく獲得できた選手。すごく助けになると思うし、私たちのサッカーを1日でも早く覚えて力になってほしい」。もろ手を広げて若きDFを迎え入れた。
最初にオファーを受けた2019年の時点で受け入れていれば、J1優勝を体験できていたかもしれない。だが、当時は東京オリンピックを翌年に控えており、出場機会を減らすリスクを避けるため、大分トリニータ残留を決めたという。ついに地元を離れることを決意した理由には、「マリノスの魅力的なサッカーは、自分のプレースタイルに合うと思いました」と語った。
昨季の大分では3バックの一角を務めたが、サイドバックもこなすユーティリティーである。DFらしく、新天地で担いたいポジションについての質問には口が堅かったが、ついに「サイドバックに置かれた自分を想像している」と陥落。そのポジションには、小学校時代に所属した四日市南SSCの先輩で「お兄ちゃんみたいな存在」と慕う松原健がいるが、「健くんとのポジション争いにも負ける気はない。しっかりポジションを取りたいと思っています」と言い切った。
視線は常に、高みにある。東京五輪については、「開催されれば、日本を代表して試合に勝ち、優勝することを目標にやっている」。さらにその先に向けても、「まずはマリノスで試合に出て勝利に貢献し、パフォーマンスと能力を上げることで、海外移籍につながっていけばいいかなと思います」と、今後を見据える。
DFではあるが、3バックからの攻撃参加や縦パス、ビルドアップは目を引くものがあった。サイドチェンジのボールの質の向上には自信を持っているといい、サイドバックとしても攻撃面でもアピールしたいと語る。
オンラインでの会見では、記者の質問に対して守りを意識しているように見えたが、YouTubeで公開された新体制発表会では、カモメをモチーフとしたクラブマスコットのマリノスケを「ヒヨコだと思っていた」とぶちまけるなど、攻めのポテンシャルも十分。可能性にあふれる23歳が、横浜から世界に挑戦する。