明治安田生命J1リーグは12月19日についに最終節を迎える。横浜F・マリノスの締めくくりは、横浜FCとのダービーマッチだ。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のラウンド16で敗れて以来の試合で、天野純はその反省を生かす。

上写真=天野純はACLでは全5試合に出場して1得点という結果を残した(写真◎Y.F.M)

「負けたら意味がないです」

「もったいない試合でした」

 天野純がそう話したのは、ACLのラウンド16で韓国の水原に逆転負けを喫した12月7日の試合のこと。エリキが先制しながら3連続ゴールを浴び、終了直前にオナイウ阿道が決めたものの、2-3で敗退に追いやられた。クラブ史上初めて、グループステージを突破したものの、その先へは進めなかった。

「水原戦のような試合は今年、何度もありましたから、本当にもったいないと思っています。来年はなくしたいです」

 水原戦では先制したあと、あとは決めるだけというビッグチャンスが何度か訪れながら、なぜかボールがゴールに入らない。

「決定力はどのカテゴリーであってもサッカーの永遠の課題で、そこの質の部分はうちのサッカーにとって非常に大事です。あれだけペナルティーエリア内に持っていけたのにシュートが入らなかったら水原戦のように負けてしまいますし、自分でもこのシーズンで痛感した部分が非常にあります」

 確かにすべてのチームの永遠の課題が決定力だが、天野は個人としても、自身の変化とそれに伴う反省がつきまとうのだと明かす。

「日頃の練習から試合を想定するのが大事ですけど、個人的にはこれほどペナルティーエリアの中に進入したシーズンはないです。そういう選手ではなかったですから。だから、エリア内の雰囲気や相手のプレッシャーのかかり方を経験できたと思っているので、来シーズンに向けては非常にいい糧になっていくと思っています。自分自身はそういう風に感じています」

 パサーからシューターへ。天野純改革元年。

「ベルギーに行く前と帰ってきたあとでは、自分自身に少し攻撃的な選択が増えた印象があって、自分でチャンスを作り出すシーンも増えてきて収穫を感じていて。でもやっぱりフィニッシュの精度が上がればもっと怖い選手になるので、来年はそこを上げていきたいです」

 ACLでアジアの強豪と戦って、上回ることができなかった部分も2021年に克服しなければならない。

「このサッカーはやっている選手たちが非常に楽しんでできていますし、優勝を目指すならこのスタイルしかないと全員が思っています。守備の部分をもうちょっと改善していけば、もっと結果につながるのかなと思っています」

 アンジェ・ポステコグルー監督がていねいに植えつけてきた攻撃的なパスサッカーを、さらに飛躍させるための守備。

「ハイプレスは最初に行なうことですが、それがダメなときに全員で意思統一を取ってブロックを作るのかどうかを判断していかなければいけなくて、よりオープンになって失点する試合がACLでは多かったと思います。やるのは選手ですから、監督がいくら言っても選手が感じて発信して行動していかないと、負けたら意味がないです。来年はその時間はあるのでうまくやっていきたいと思います」

 もっと選手の自主性を、とひとくくりに表現してしまうのは乱暴かもしれないが、天野が言いたいのはその統一感の問題だ。

「もちろんボス自身のスタイルは確固たるものがありますけど、選手が中でやることに対して賛同してくれますし、みんながいいならいいよと話してくれるんです。ピッチにいる選手11人が意思統一できていなくて、行くか行かないかがあいまいでした」

 ACLの敗退からおよそ2週間。そこで「意思統一」という反省点をクリアできているかどうか。今回の横浜ダービーは、2021年に向けてそれを検証するいい機会になるだろう。


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