J1のヴィッセル神戸を率いる三浦淳寛監督が18日、カタールで集中開催されたACL(AFCアジアチャンピオンズリーグ)を終えて、初めて取材に応じた。三浦監督は準決勝敗退に悔しさをにじませつつ、初出場でベスト4という結果を前向きに捉えた。

上写真=今年9月から神戸を率いる46歳の三浦監督(写真◎Getty Images)

「自分たちの立ち位置も分かった」

 23日間におよんだカタールでの戦い。三浦監督は「ACL自体が開催されるかどうか分からない状況だったので、開催に協力してくれたAFC(アジアサッカー連盟)とカタールには感謝している」と語り、ベスト4という結果については「今シーズンはACLで優勝することが最大の目標だった。それを達成したかったが、クラブとして一丸となって戦った結果、ベスト4までたどり着けたと思っている」と振り返った。

 ただ複雑な感情も残る。蔚山との準決勝ではVAR(ビデオアシスタントレフェリー)によってゴールが取り消される不運に見舞われた。1-0で迎えた75分に佐々木大樹がネットを揺らしたが、その攻撃の起点となった安井拓也のボール奪取がVARによってファールと判定されてノーゴールに。すると5分後に同点に追いつかれ、延長戦で逆転を許した。三浦監督は「いまだにゴールだと思っている。あそこまで遡ってファールを取るようになったら、ほとんどのゴールシーンがそういった形(VARによる取り消し)になってしまうのではないか。2-0になっていたら違う結果になっていたのではないか、と今でも思っている」と悔しさをにじませた。

 それでもACLの経験はクラブとして大きな財産になったと三浦監督は語る。「自分たちの立ち位置も分かったし、クラブとして一つになれた。これを継続することができれば未来は明るい」。元スペイン代表のアンドレス・イニエスタを獲得するなど、多額の費用を投じてきた強化策が一定の成果を出したと言える。三浦監督によると、オーナーの三木谷浩史氏は「本当によく頑張った。胸を張って日本に帰ってきなさい」とチームを労ったという。

 なお準々決勝の水原三星戦で負傷し(右大腿直筋近位部腱断裂)、15日にスペインで手術を行なったイニエスタについて「彼とはバイバー(通話アプリ)でやり取りし、手術は成功したと。彼自身はすごくポジティブで、始めに考えていたよりも良い状態だと聞いている」と明かし、全治4カ月の診断よりも早く復帰できる可能性を示唆した。

 またイニエスタ以外の外国籍選手についても「帰国して2週間、(日本に)戻ってきてまた2週間(の隔離)ということを考えたらほとんどオフがなくなるので、明日は帯同しません」と、すでに帰国の途に就いた模様。19日にアウェーで行なわれるFC東京とのリーグ最終節はオール日本人で臨むことを明言し、「来シーズンにつなげることも考えながらメンバーを選考したい」と話した。


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