明治安田生命J1リーグも大詰め。北海道コンサドーレ札幌は大分トリニータ、浦和レッズとのアウェー連戦へ向けて、千葉で今季3度目のキャンプを行った。ミハイロ・ペトロビッチ監督は気持ちをリフレッシュさせて「落としてはいけない試合」に臨む。

上写真=残り2試合をより大切なものにするために、ペトロヴィッチ監督も戦う(写真◎J.LEAGUE)

「11位に向けて落としてはいけない試合」

 北海道コンサドーレ札幌が今季3度目のキャンプを張った。12月8日から千葉県内で行ったのは、残り2試合が大分トリニータと浦和レッズとのアウェーゲームであることもそうだが、メンタル面でのリブート(再起動)の意味合いもあるようだ。ミハイロ・ペトロビッチ監督はこう説明する。

「新型コロナウイルスの影響で皆さんにとってもサッカー界にとっても通常ではない新しい日常を過ごさなければいけない中で、1年で3回目のキャンプというのはもちろん初めての出来事です。今年に関しては特に中断が長く、連戦が続き、ストレスの多いシーズンでした。残りの試合はわずかになってきましたが、集中力やモチベーションを保つのが難しい時期に来ているのは確かです」

 だからこのキャンプでもう一度、チーム一丸となって残り2試合を戦い抜こう。そんな意思統一を図っている。

 32試合を終えて勝ち点35の札幌は13位。残り2試合に勝って勝ち点6を積み上げれば勝ち点は41になり、可能性としては11位まで浮上することができる。

「できるだけ上の順位でシーズンを終える目標を掲げて、3次キャンプに取り組んでいます。11位というのがいま現実的に残された目標にできる順位で、達成できるように2試合全力で戦おうと、千葉に入っていいトレーニングを積み重ねています」

 そんな難しいシーズンで積み上げきたものは、やはり「成長」だった。

「今シーズンは降格がなく、タイトな日程でした。その中で私自身は選手個人とチームの成長を考えて、これまでとは違う戦い、新たなチームの戦いを選手に経験させてきました。アグレッシブに前から奪って、前に素早く仕掛ける特徴の戦術の中で、いい部分を出せた試合も多かったし、逆にミスを重ねて自滅した試合もありました。結果については満足できるシーズンではないですが、個人の成長やチームとしての戦いで経験を積むことができて一歩成長したのではないかと思っています。若手も積極的に起用して伸びましたし、チームの底上げになったと思います」

 だからこそ、残り2試合でやらなければならないことがある。あえて自分たちにプレッシャーをかけ、向き合って戦うことだ。

「順位に関しては満足していない中で、今年の経験を生かして来季は上位を戦っていかなければなりません。そのためには、負けてはいけない試合、落としてはいけない試合が必ずあります。だから、残り2試合に選手に課題を与えています。2試合、何が何でも勝たなければなりません。11位に向けてこれは落としてはいけない試合で、自分たちにプレッシャーをかけてその中で結果を残していくことを選手に認識してもらいたいのです。その思いを込めて2試合を戦いたいと思います」

 大分には昨年は2敗、今年は1引き分けと厳しい現実を見せてくれる相手だ。

「非常にコンパクトで規律のある、コレクティブに戦ってくるチームです。チームとしてやるべきことがはっきりしていて、これまではうちもいい戦いをしていたと思いますが、いい結果を得られていません。ということは、今回も決して簡単な戦いではなく、非常に難しいゲームになるのは明らかです」

 だからこそ、自分たちで自分たち自身にプレッシャーを与え、乗り越えるには最高の相手だということだ。

「チームとしては11位という現実的な目標を達成するには、大分に勝利するのは必要なことです。勝って、最終節で目標を達成する可能性を残すために重要なゲームであると私はとらえています」


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