FC東京は6日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のラウンド16、北京国安戦に臨んだ。前半は何度も好機をつかんだが、生かしきれず後半に失点。過去2回、ラウンド16で敗れているクラブの歴史を今回も塗り替えることはできず、16強で敗退することになった。

上写真=FC東京ペースだった前半に惜しいシュートを放ったレアンドロ(写真◎F.C.TOKYO)

■2020年12月6日 ACL決勝トーナメント1回戦
(リモートマッチ/@カタール・エデュケーションシティ・スタジアム)
北京国安 1-0 FC東京
得点:(北)アラン

・北京国安メンバー:GKホウ・セン、DFワン・ガン、キム・ミンジェ、ユー・ヤン、リー・レイ、MFチー・ジョングオ、フェルナンド、チャン・シージエ、ホナタン・ビエラ(90+1分:リュウ・ペン)、レナト・アウグスト、FWアラン(67分:ジャン・ユーニン)

・FC東京メンバー:GK波多野豪、DF中村拓海(80分:中村帆高)、渡辺剛、ジョアン・オマリ、小川諒也(86分:内田宅哉)、森重真人、MF東慶悟(69分:高萩洋次郎)、安部柊斗、FW原大智、レアンドロ(80分:紺野和也)、永井謙佑(69分:アダイウトン)

前半の好機を生かせず1点に泣く

 FC東京は立ち上がりから積極的な姿勢を見せた。前傾姿勢でボールを奪いにいく。そしてボールを奪えば、意識をしっかりゴールに向けて攻めに出た。8分に左CKから渡辺がヘッドで、15分にボックス左からレアンドロが右足でゴールを狙い、23分にもレアンドロが右足で強烈なシュートを放った。だが、いずれもネットを揺らすことはできなかった。

 一方でピンチらしいピンチは、20分に最終ラインを下げられ、バイタルエリアからアランに打たれたシュートくらい。30分過ぎから北京にボールを握られる時間も訪れたが、前からボールを奪えないと判断すればしっかり帰陣してブロックを築き、スペースを消して相手の攻撃を封じた。前半の出来は文句なし。FC東京は良い形でゲームに入り、45分間は良いペースでゲームを進めた。

 後半、スタートから互いにカウンターを仕掛け合い、攻守が激しく入れ替わるシーンが頻発する。50分にはFC東京がボール奪取から一気に前がかりとなるが、攻めに出たところでレアンドロがボールをロストし、逆に速攻を浴びた。アランにフリーでシュートを許したが、枠を外れ、事なきを得る。1点を取るために攻めに出る意識を示すも、守備から攻撃に切り替わったところでミスが出てしまった。

 その後も、ポジティブトランジションの場面でミスが出てたびたび逆襲を受けることになった。徐々にリズムを失うと、59分にはレナト・アウグストに自陣左サイドをドリブルで突破される。深く進入を許したところで小川が対峙するが、股の間にグラウンダーの折り返しを通されると、ゴール前でフリーになっていたアランに右足を合わされた。

 悔いの残る失点だった。R・アウグストのドリブルで最終ラインを押し下げられて、ゴール前で待つアランには誰もマークに付くことができなかった。その後、FC東京は東に代えて高萩、永井に代えてアダイウトンを投入。当然ながら、点を取りにいく。

 73分には中村拓の縦パスを受けた原が右サイドからクロスを入れて、アダイウトンがボックス内で狙うも相手DFに当たってしまう。受けに回る相手に対してここからさらに攻撃の圧力を強めんとするが、以降はなかなか決定機をつくることができなくなった。80分には疲れの見えるレアンドロに代えて紺野、中村拓に代えて中村帆をピッチに送り、攻撃の活性化を図る。ただ、北京も重心を下げつつ、カウンターを繰り出す戦いに完全にシフト。時計の針を進めていった。

 結局、0-1のままタイムアップ。FC東京は過去2回、ラウンド16で散ったクラブの歴史を塗り替えるべく最後まで戦ったが、三度目の正直はならなかった。

「選手たちは本当に素晴らしいプレーをしてくれたと思います。1点がなかなか遠い中で、後半、相手に一瞬のスキというか、レナト・アウグストが両サイドに開きながらチャンスをうかがうという中で、よく対応してくれていたんですが、あのシーンだけ縦に割られて中の対応が薄くなった。1点を何とか取り返したかったです。
 本当に素晴らしい大会に、このメンバーで臨めた。ベスト16という壁にまた阻まれましたけど、この経験を生かし、次こそはFC東京としてベスト8以上に行けるように頑張っていきたい」

 長谷川健太監督は、そう言って試合を振り返った。最少得点差で敗れたが、わずかな差に見えて16強の壁を越えるには、まだまだ足りないものあったということだろう。決定力や切り替え直後のプレーを、チームとしてさらに磨く必要がある。

「ここでやれた経験はチームにとっても個人としても、いい勉強になった。もう1回、ここに戻ってこれるように頑張りたい」

 東慶悟キャプテンの言葉だ。『次は必ず16強の壁を越える』。近い将来、必ず達成すべき目標を胸に深く刻み、FC東京は帰国することになった。


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