上写真=ポステコグルー監督は選手を労って、及第点を与えつつ、課題も指摘した(写真◎Y.F.M)
■2020年12月4日 ACL第6節
(リモートマッチ/@カタール・アルジャノブ スタジアム)
シドニーFC 1-1 横浜FM
得点:(シ)トレント・ブハジアー
(横)實藤友紀
「何を求めるのか分からなくなります」
横浜F・マリノスのグループステージは2月に2勝していて、カタールでの集中開催となった再開後は2勝1分け1敗。最終的にグループHで13ポイントを稼いで堂々の首位突破である。
前節でグループステージ突破を決めていた上に、相手はすでに敗退が決まっていたシドニーFC。引き分け以上で首位確定で、もし負けて2位の上海上港に勝ち点で並ばれても得失点差で10の差ができていたから、ほぼ首位は手中に収めている中での最終戦だった。アンジェ・ポステコグルー監督は前日会見で示唆したようにメンバーを入れ替えてきたが、前節から先発11人を総入れ替えするという大胆な策を採ってきた。
90分の結果は1-1。ポステコグルー監督はまず選手たちを労った。
「いいプレーはできたと思いますし、しっかりゲームをコントロールしてたくさんのチャンスを作りました。相手のカウンターの強さがあって失点してしまいましたが、何人かは久々の試合で、2〜3人はいつもとは違うポジションでのプレーになった中で、頑張ってくれました」
11人も先発が変われば、さすがにコンビネーションの習熟度も足りない。途中でパスの乱れが続けて起きてリズムを失う時間帯があったが、それは仕方のないところだった。
ポステコグルー監督が指摘したのは、フィニッシュの部分。
「ゴール前の落ち着きの部分で慌てたところもありました」「前の3人のところで落ち着きが必要でした」と話して、決定機を何度も作りながら仕留めきれなかった部分にはしっかりと課題として挙げていった。
このローテーションによって休みを手にすることになった選手も多い。万全な状態でラウド16を迎えることができそうだ。
「今年はケガ人が多く出たシーズンだったので、この大会ではそういうことがなく臨みたいと思っていました。ここまで大きなケガもなく、いい状態でいいパフォーマンスが続いていますし、もちろん次の決勝トーナメント1回戦は疲れがある中でもみんな前向きにとらえていますので、しっかりフレッシュな状態で試合に臨めるように良い準備ができると思います」
その相手は、韓国の名門・水原に決まった。この大会ではヴィッセル神戸と1勝1敗。侮れない相手である。
とはいえ、ポステコグルー監督のメッセージは不変だ。
「アプローチは変わりません。信じてやっているサッカーをしていますし、予選はこのサッカーで、トーナメントでは別のサッカーでと変えてしまうと、ブレてしまって何を求めるのか分からなくなります。私たちにとってはボールをしっかりと握って試合を支配することが大事で、そうすることでダイナミックさを見せることができます。質の高い相手とどう戦っていくかは、もちろんアプローチは変えることなく、マリノスのサッカーしっかりやっていければと思っています」
ここからは一発勝負。しびれる展開になることは間違いない。トリコロール・スタイルがアジアの頂点で輝くための、新たな戦いが始まる。