上写真=水原三星戦前日の公式会見に臨んだ三浦監督(写真◎VISSEL KOBE)
目標は明確、アジアナンバーワンを目指す
棄権チームが出たことで3チームによる変則的な争いとなったグループGで、ヴィッセル神戸は1試合を残して決勝トーナメント進出を決めた。しかもグループ1位として、ラウンド16に臨むことになった。
ACL初挑戦にして、見事にグループ突破を決めたわけだ。3日に行なわれた試合前日の公式会見では、初めてのラウンド16を前にして、選手はナーバスになっていないかとの質問も出た。その懸念を、三浦監督は明確に否定する。
「ナーバスになっているということは、一切ないですね。われわれのクラブには非常に経験のある選手がたくさんいるし、私がヴィッセル神戸に着任してから3年近く、アジアでもナンバーワンを目指していこうという目標が明確にあります。非常に選手たちはポジティブにとらえているし、決してナーバスになっている状況ではありません」
ナーバスになっているのは、最終節で対戦する水原三星の方かもしれない。現在3位の水原は、2位の広州恒大を勝ち点3差で追っている。ただ勝つのみならず、複数得点での勝利が必要となるのだ。
そうした相手と臨む最終節を、三浦監督は存分に有効に活用するつもりだ。その目は、すでにラウンド16を見据えている。
「グループ突破は決定しているので、選手のコンディションを考えながら起用を考えていきたい。それと同時に、選手の組み合わせの中で、われわれがやること、チームコンセプトを、いかにうまくできるか確認していきたい」
ラウンド16では、グループHの2位チームと対戦する。同グループでは現在、横浜F・マリノスが首位に立っており、得失点などを考えると、上海上港と対戦することが濃厚だ。神戸はすでに上海上港の分析を始めていると明かしている。
最終節以降、準々決勝までは中2日での連戦となる。こうした短期決戦で、チームの状態、勢いは重要性をさらに増す。選手のコンディションを考慮しつつ、連戦という波に乗る。緊張感が入り混じる最終節で、三浦監督は難しい舵取りを強いられることになる。
「各国の予選を突破してACLに参加しているので、各チームが強いとか弱いということは私の中ではほぼない。どのチームも実力があるので、決勝トーナメントで100パーセントの状態でやるためにも、この水原戦は非常に重要な試合になる。われわれができることを再確認し、ラウンド16で100パーセントの状態でできるような良いゲームにしたいと思っています」
会見に同席したDF菊池流帆も、「僕らはグループステージ突破は決まっているんですけど、それは関係なく明日は絶対に勝って、勢いを持って決勝トーナメントに進むだけです」と指揮官の思いをよく理解している。
アジアの頂点を目指すグループ最後のステップは、日本時間4日22時にキックオフとなる。