上写真=同点弾を挙げたオナイウ阿道(右から2人目)を中心に喜びの輪。理想的なゴールだったが、試合は敗戦(写真◎Getty Images)
■2020年11月28日 ACL第4節
(リモートマッチ/@カタール・アルジャノブ スタジアム)
横浜FM 1-2 上海上港
得点:(横)オナイウ阿道
(上)カイ・フイカン、リカルド・ロペス
・横浜FMメンバー◎GKオビ・パウエル・オビンナ、DF松原健、伊藤槙人、實藤友紀、高野遼、MF和田拓也(79分、渡辺皓太)、喜田拓也、天野純(64分、マルコス・ジュニオール)、FW仲川輝人(64分、水沼宏太)、オナイウ阿道、前田大然(79分、ティーラトン)
・上海上港メンバー◎GKチェン・ウェイ、DFレイ・ウェンジェ(46分、ワン・シェンチャオ)、ウェイ・ジェン、ヘー・グアン、ユー・ハイ、チェン・ビンビン、MFヤン・シーユエン、カイ・フイカン(68分、ムレヘマイティジャン・モザパ)、リン・チュアンイー(46分、アーロン・ムーイ)、ルー・ウェンジュン(46分、オスカル)、FWリカルド・ロペス(82分、リー・シェンロン)
「後半の入りが緩かった」
上海上港を率いるポルトガル人のヴィトール・ペレイラ監督は、ある意味で不気味な戦いを横浜F・マリノスに挑んできた。3日前のゲームと同じく5バックながらハイラインを敷き、しかしボールホルダーへのプレッシャーは甘い。
横浜FMとしては縦に入れるボールには警戒してくる相手の逆を突くようにして、何度もディフェンスラインの裏へボールを流し込んでいく。
14分に上海上港のチェン・ビンビンの左クロスからカイ・フイカンにヘッドで叩き込まれて先制されるものの、焦りはなし。相手のラフプレーをパスでかいくぐりながらリズムをつかんで、ゴールに近づいていった。
それが実を結んだのは21分。左でゆっくり回しながら和田拓也、喜田拓也、松原健と右に動かしたところで縦パスを突き刺し、裏に飛び出した仲川輝人がセンタリング、中央でオナイウ阿道が蹴り込んだ。まさに横浜FMらしい鮮やかさだった。
その後も仲川、オナイウが何度もラインの裏に飛び出してはボールを引き出し、決定的なチャンスを作っていった。
後半開始から勝負に出てきたのは上海上港。3人を一気に代えて流れを取り戻した。中でもオスカルとアーロン・ムーイが登場したことでボールの収まりどころができてカウンターの回数が増え、危険が増していく。55分には右のスローインからリカルド・ロペスがオスカルとのワンツーで抜け出してシュート、左サイドに突き刺さり、横浜FMは突き放されてしまう。
1点をリードしたことで上海上港は5バックの重心を下げてゴール前を固めてくる。横浜FMも水沼宏太、マルコス・ジュニオール、ティーラトン、渡辺皓太と次々に投入して、その厚い壁を破ろうと左右にボールを動かしていくが、小さなミスが増えるようになって攻撃からスムーズさが失われていった。
79分には高野遼が中央から左サイドへドリブルで抜け出していき、マイナスのセンタリング。フリーのオナイウが左足で狙ったが、シュートは大きくバーの上へと外れていった。アディショナルタイム3分に水沼がペナルティーエリア内で相手と接触して倒れるがPKはならず。このまま逃げ切られてしまった。
フル出場で1ゴールを挙げたオナイウは「先に先制されたけれど、狙っていることはできていました。前半で追いつくことができたけれど、後半の入りが緩かったと思います。そこが今日の反省で、次に生かしたい。個人的にチャンスはありましたけれど、質を上げていかないと。今日出た反省を生かして、すぐ試合なのでしっかり準備していい試合をしたいと思います」と振り返った。
横浜FMは引き分け以上でラウンド16進出決定という条件だったが、決定力に欠けて持ち越し。次の全北(韓国)とのゲームで引き分け以上で進出となる。2月の対戦では2-1で逃げ切って勝利を収めているだけに、その再現を狙う。