上写真=広州恒大戦で先制ゴールを決めた古橋亨梧(写真◎Getty Images)
■2020年11月25日 ACL第3節
(リモートマッチ/@カタール・ハリファインターナショナル・スタジアム)
広州恒大 1-3 神戸
得点:(広)オウンゴール
(神)古橋亨梧、ドウグラス、イニエスタ
アンドレスがいいパスをくれた
試合序盤からペースを握っていたが、古橋が挙げた先制ゴールの価値は大きかった。
前半終了間際の44分。逆サイドの西大伍からのパスを受けると、左からボックス内に入り込んだイニエスタが相手DFが寄せるよりも早くゴール正面で待つ古橋にボールをと届けた。
「得点に関してはアンドレス(・イニエスタ)がすごくいいタイミングでパスをくれたので、枠に入れることしか考えてなかったです。それがうまく入ってよかった」
本人が言う通り、イニエスタのお膳立ては見事だった。ただ、古橋が最適な場所にしっかり入り込んでいたからこその得点でもあった。
「90分通して、チームが出ている選手、出ていない選手が一つになったから、ああやって3得点できたと思いますし、1失点、僕のところで届かなかったですが、90分通して勝ち切れたことは良かったですし、みなさんにいい報告ができた」
古橋の得点のあと、後半になって広州恒大に一度は追い付かれた。相手のCKの場面で、山川哲史のクリアボールが自軍ゴール方向に飛んだ。ゴールライン上で守っていた古橋は頭で弾き返そうとしたが、オウンゴールになってしまった。だが、神戸はそこで下を向かず前を見て、下がらずに前に出てプレーし、2ゴールを挙げて粘る相手を振り切った。
三浦淳寛監督は「広州恒大は力のある選手が多いが、われわれも戦術的なものを選手に話して挑んだ。いかに個の能力の高い選手たちに仕事をさせないかということ、しっかりとした守備から、得点することに関してよくできた」と振り返ったが、この快勝劇で古橋が果たした役割は大きい。得点はもちろん、守備でもスイッチを入れる役割を担い、素早い寄せで相手にプレッシャーをかけ続けた。
古橋が言うように、この日の神戸は「一つになって」戦っていた。それは直近のJリーグでは見られなかった姿だ。目論見通り、リスタートの一戦に勝利して早々と16強入りを決めたが、古橋にとって何より大きかったのは、チームの結束を確認できたことだったのかもしれない。