上写真=横浜FMのジュニオール・サントスが来日後ハットトリックを達成(写真◎J.LEAGUE)
■2020年11月14日 J1リーグ第27節(@日産ス:観衆18,148人)
横浜FM 6-2 浦和
得点:(横)ジュニオール・サントス3、前田大然、小池龍太、水沼宏太
(浦)OG、マルティノス
・横浜FMメンバー◎GKオビ・パウエルオビンナ、小池龍太、伊藤槙人、實藤友紀、ティーラトン(58分:高野遼)、MF扇原貴宏、和田拓也(84分:渡辺皓太)、オナイウ阿道(74分:大津祐樹)、FW水沼宏太(74分:仲川輝人)、ジュニオール・サントス、前田大然(46分:松田詠太郎)
・浦和メンバー◎GK西川周作、DF橋岡大樹、岩波拓也、槙野智章、宇賀神友弥(46分:山中亮輔)、MFマルティノス、エヴェルトン(46分:青木拓矢)、長澤和輝、汰木康也(87分:武富孝介)、FW武藤雄樹(56分:レオナルド)、興梠慎三(78分:杉本健勇)
「マリノスのサッカーを見せたかった」(ポステコグルー監督)
ACLのスケジュール変更のため、12月19日の最終節から1カ月以上前にホーム最終戦を迎えた横浜FMは、3連敗を喫した前節から中2日の過密日程を考慮し、先発メンバー9人を入れ替え。ケガで離脱していた實藤が約2カ月ぶりに復帰し、プロ1年目のGKオビ・パウエルオビンナがJ1デビューを飾った。
対する浦和は10日間のインターバルが空いての試合。体力、気力を十分に回復させ、前節と同じレギュラーメンバー11人が先発に名を連ねた。
試合はキックオフと同時に横浜FMが攻勢をかけ、開始1分、トップ下に入ったオナイウがジュニオール・サントスとのワンツーから左足でシュート。これは惜しくも枠外に逸れたが、直後の2分に先制点が生まれる。
オナイウが右サイドの水沼につなぎ、水沼がダイレクトで前線のスペースをめがけてパスを送ると、ジュニオール・サントスがそれに反応。並走する浦和DF岩波を振り切り、最後はニアサイドを精確に打ち抜いた。
横浜FMの勢いはその後も止まらず、10分に前田、14分には小池が追加点を奪い、前半の飲水タイム前に3点のリード。31分、GKオビのクリアが味方の伊藤に当たってしまいオウンゴールで失点するが、37分にはジュニオール・サントスが自身2点目をマークし、前半を4-1で折り返した。
攻めるしかない浦和は後半開始から宇賀神に代えて山中、エヴェルトンに代えて青木を投入して打開を図るも、攻撃に偏重するあまりスペースを生み、横浜FMにとっては戦いやすい展開となった。
67分には水沼がオナイウとのワンツーでゴール前に侵入し、コースを突いた左足シュートで今季の1試合最多得点を更新する5点目をマーク。1ゴール3アシストの大活躍を見せた水沼は「自分を目一杯、表現することができた」と充実感を漂わせた。
浦和は終了間際の90分にマルティノスが1点を返すが、時すでに遅し。1分後にはジュニオール・サントスにハットトリックを決められ、今季2度目の6失点で7試合ぶりの黒星を喫した。浦和の大槻毅監督は「非常に残念な結果になって申し訳ない。マリノスの良さが出るゲーム展開になってしまった。試合の入りがすべて」と言葉少なに語った。
ホーム最終戦を勝利で飾った横浜FMのポステコグルー監督は、「連敗しているときは疲れが見えたが、とにかくポジティブにやっていこうと選手たちに伝えた。負けた試合は忘れて、とにかく前を向いて自分たちのサッカーをしようと、この試合に臨んだ」と振り返り、「サポーターの皆さんにマリノスのサッカーを見せたかった。本当に良いゲームだった」と充実の表情。昨季のJ1王者が大量得点で自分たちのスタイルを取り戻し、11月25日に再開するACLに向けて弾みをつけた。
取材◎多賀祐輔