上写真=拭うのは汗か涙か。ジェイは76分からピッチに入ってゴールを目指した(写真◎J.LEAGUE)
■2020年11月11日 J1リーグ第33節(@味スタ:観衆6,357人)
FC東京 1-0 札幌
得点者:(東)永井謙佑
「コンビネーションプレーをしたかった」
3試合ぶりのピッチは、76分からの交代出場だった。これがJ1通算100試合目という節目のゲーム。しかし、1点が遠かった。
「途中から入るのは難しくて、20分ぐらいしか残っていなかったからそこまでプレーはできませんでした。その20分でも大事ですが、これからどんどんコンディションが上がってもっとうまくプレーできると思います」
前半にチャナティップが負傷で交代してアンデルソン・ロペスがピッチへ。後半開始からドウグラス・オリヴェイラが入り、76分にジェイが加わると、前線には長身でパワフルなアタッカー3人が並ぶことになった。
「いいクロスが上がったときもありましたが、東京のGKは強いし背の高さもあるので、ゴールラインまで行ってからアウトスイングで上げてほしいとうちの選手には話したのですが、相手のサイドハーフも注意していてできませんでした」
札幌は右のアウトサイドには左利きの金子拓郎を、左アウトサイドには右利きのルーカス・フェルナンデスを配置している。サイドにボールが入って相手に目の前に立たれると、縦に突破するよりもカットインしてから利き足で、ゴールに向かっていくインスイングのクロスを送ることがどうしても増える。もちろん、それでチャンスになったシーンも多いのだが、長身GK波多野豪にとっては守りやすい軌道になり、ジェイにとっては逆に難しさの原因になったというのだ。
「あとは、最後の方はロングボールを蹴ることが多くなりました。1-0の状態でロングボールを蹴りたい気持ちは分かりますが、それはうちのサッカーではないし、私の得意なサッカーではありません。もっと足元でコンビネーションプレーをしたかったと思います」
1点がほしい。時間がない。前線には長身の外国人選手が揃っている。そんな条件下では仕方ないのかもしれないが、逆に言えばしっかりとコンビネーションを築けば崩せるという信念があるということでもある。
今季は残り6試合。中2日で迎えるサガン鳥栖戦を「101試合目」にして、ゴールも決めたい。ちなみに、このFC東京戦が100試合目だったことは「知らなかった」と笑ったが、あくまで通過点。
「100試合に出場できたのはいいことだと思います。でも、まだまだプレーしたいと思っていますし、優勝したことがないので、イギリスに戻る前に、引退する前には日本でタイトルを取りたいと思っています。そのためにもチームで頑張りたいと思います」
だからこそ、残り試合を大事に戦って、タイトル獲得への基盤作りに挑みたいところだ。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE