上写真=10月30日のトレーニング中のザーゴ監督(写真◎KASHIMA ANTLERS)
「彼はイタリアから、僕はブラジルから」
名古屋との対戦を前に、記者からザーゴ監督に質問が飛んだ。「前回対戦時、雷雨で試合が中断しましたが、そのとき相手の監督とどのような会話をしていたのでしょうか」。9月5日に豊田スタジアムで行なわれた試合では、雷雨の影響で前半途中に1時間ほど一時中断を余儀なくされた。その際、マッシモ・フィッカデンティ監督と話をするザーゴ監督の姿があった。
「各国の監督との交流は非常に重要です。日本サッカーのここ数年の進歩はすさまじくて、非常に良いという話をしました。彼はイタリアから知識とかサッカーのノウハウを持ってきています。セレッソ(のロティーナ監督)はスペインからだし、僕はブラジルから。ただ、僕はヨーロッパでもプレー経験があるので、そういうものも日本に持ち込んでいます。そうやって日本サッカーが進歩しているのだろうと、話していました。僕は、彼がイタリアのチームで指揮を執っていたことを知っているし、彼も僕が長年イタリアでプレーしていたことを知っているので、しゃべりやすい環境でもありました」
そんな南米とヨーロッパ出身の両監督が率いるチーム同士の対戦。名古屋とは勝ち点「45」で並んでおり、ザーゴ監督は「順位表の状況を考えれば、やはりここで勝ち点を積み重ねないといけない」と、勝利が必要であることを強調する。前回対戦では敵地で3-1と勝利を収めたが、イタリア人監督が率いる名古屋を警戒する。
「対戦相手には非常に指導力がある、良い指導者がいます。組織的に戦ってくるチームで、リーグで失点数が2番目に少ないチーム。そういった相手の固いディフェンスをこじ開けることを全員でやらなければいけません。ホームでの後押しをもらいながら、全員がしっかりと試合に集中して取り組むことで、勝ち点を手にすることができると思っています」
上位陣に食らいつくための生き残りを懸けた一戦。勝利をつかむために重要なのは、選手個々のメンタルの「バランス」だと言う。
「非常にタフな、厳しい試合になると思います。その中で(選手が)熱くなりすぎて、冷静さを失ってしまえば、自分たちのやるべきことができなくなる。熱く、冷静に、という、その両極端の気持ちをバランスよく持ちながら、戦わなければいけません」
ホームのカシマスタジアムで難敵を撃破し、さらなる高みへ。鹿島の選手たちはザーゴ監督の下で、「熱く、冷静に」勝利を目指す。