10月24日、明治安田生命J1リーグ第28節が開催された。味の素スタジアムではFC東京と横浜F・マリノスが対戦。前半はFC東京がペースを握ったが、後半に横浜FMが爆発。決めるべき時に決めた横浜FMが4得点を挙げて圧勝した。

上写真=先制ゴールを含む2得点で勝利に大きく貢献したジュニオール・サントス(右/写真◎J.LEAGUE)

■2020年10月24日 J1リーグ第28節(観衆9,518人/@味の素)
FC東京 0-4 横浜FM
得点:(横)ジュニオール・サントス2、OG、エリキ

・FC東京メンバー◎GK林彰洋、DF中村拓海(81分:中村帆高)、渡辺剛、森重真人、小川諒也、MF三田啓貴(59分:原大智)、アルトゥール・シルバ、安部柊斗、FW永井謙佑(59分:アダイウトン)、ディエゴ・オリヴェイラ(86分:高萩洋次郎)、田川亨介(59分:内田宅哉)

・横浜FMメンバー◎GK朴一圭、DF松原健、伊藤槙人、畠中槙之輔、ティーラトン、MF扇原貴宏、喜田拓也、マルコス・ジュニオール(64分:天野純)、FWエリキ、ジュニオール・サントス(81分:オナイウ阿道)、前田大然(81分:水沼宏太)

ジュニオール・サントスの得点が流れを変える

 19連戦を終えて2日間のオフを取り、リフレッシュして試合に臨んだFC東京と、22連戦の21戦目に中で2日で臨んだ横浜FM。チーム状態の差は前半の動きに表れた。守備から攻撃への切り替えがスムーズで軽快な動きを見せるホームのFC東京に対し、横浜FMはどこか動きが重く、攻撃サッカーを信条としながらも受けに回る場面が散見した。

 田川のヘディングや左足シュート、安部のミドル、三田のボレーと15分過ぎからFC東京が立て続けにチャンスをつかむ。だがいずれも精度を欠いて、ネットを揺らすことはできなかった。結果的に、押せ押せだったこの時間帯に決められなかったことが響いた。0-0で前半を終えたあとで迎えた後半、54分のことだった。

 安部のシュートが枠外に逸れてゴールキックになったあと、横浜FMは自陣でボールを素早くつなぎ、マルコス・ジュニオールから右サイドのエリキにパスが出る。エリキは仕掛けの姿勢を見せながらボックス右横から進入。森重と小川にマークに付かれたが、森重の股下を通してボールをゴール正面に送った。

 そこに走り込んだのがジュニオール・サントスだ。相手CBの渡辺を引きずるようにしてボールを収めると、左足で冷静にゴールへ流し込んだ。後半も永井、安部がボックス内に進入して決定機を手にするなど、開始直後はFC東京が優勢だったが、この1点で流れは一気に横浜FMのものになった。

 先制点から2分後の56分。攻撃から守備への切り替えの場面で、横浜FMがFC東京を上回る。右サイドでエリキがボールをロストしたが、連動したプレスで相手のビルドアップを阻み、敵陣で伊藤が田川からボールを奪取。そこから前田、M・ジュニオールとつなぎ、ボックス内に走り込む前田に再びパスを出した。

 そのボールには、FC東京のCB渡辺がいち早く反応したものの、クリアは運悪く森重に当たってしまう。そしてボールがこぼれたところに、またもJ・サントスが待ち構えていた。キックフェイントから冷静に左足を振って2点目をスコア。FC東京ペースだったゲームは数分間のうちに横浜FMペースに変わった。

 流れをつかみ損ねたFC東京は、さらに悪い流れの中に身を落とす。63分にアルトゥール・シルバがラフプレーで退場。一人少ない状態で戦うことを強いられた。一方で横浜FMは敵陣でゲームを進め、後半アディショナルタイムにも途中出場した水沼のシュートが相手のオウンゴールを誘い、エリキもダメ押しゴールを挙げる。最後まで攻めの姿勢を貫いて4-0とし、敵地で圧勝してみせた。

「厳しい日程で、前節は8人、きょうは7人と選手を変えなければならない状況で、きょうも選手たちがハードワークし、最後まであきらめずに戦った。自分たちのサッカーを信じてやり続けた結果だと思います」

 過酷な条件の中で臨んだゲームをものにした事実に、横浜FMのアンジェ・ポステコグルー監督は胸を張った。

 対するFC東京の長谷川健太監督は「負けるべくして負けたと思っています。勝てる要素は一つもなかった。ハーフタイムには決めるべきところを決めないとしっぺ返しが来るという話もしていましたが…」と、悔しさをにじませた。

 前半と後半で、互いに別を見せたが、笑顔になれたのは横浜FMの方だった。これまでも点を取り合うケースが多かったこのカード。この日は横浜FMだけが4度、ネットを揺らした。

現地取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE


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