上写真=第19節以来となる得点を狙う前田(写真◎Getty Images)
「あきらめない姿勢があった」
昨年、松本山雅FCからマリティモ(ポルトガル)に期限付き移籍し、今年8月に期限付き移籍で横浜F・マリノスに加わった前田大然は、8月15日の明治安田生命J1リーグ第10節に先発して新天地デビューを飾ると、続く第11節の清水エスパルス戦では早くもゴールを決めた。だが、その後はベンチスタートが多くなり、9月27日の第19節を最後にゴールがない。
それでも10月21日、前倒しで開催された第33節の名古屋グランパス戦では大きな仕事をした。71分にピッチに入った9分後、ゴール前に入りながらも右からのクロスは合わなかったが、持ち味のスピードで追いかけたDFを追い越し、ボールを拾う。戻したボールをDF小池龍太がつなぎ、MF渡辺皓太の決勝点が生まれたのだ。
「セレッソ戦で本当に悔しい思いをしたので、何か結果を残したいという気持ちで入りました。あきらめない姿勢があったので、ああいうのが生まれたのかなと思います」
名古屋戦の前、10月17日のセレッソ大阪戦では4試合ぶりの先発出場を果たしたものの、67分に交代。チームも1-4で敗れた試合をバネにしたと振り返った。
24日の次節、FC東京戦ではプラスアルファの楽しみを追い風に変える。「一緒にやっていたので、楽しみです」と語ったように、相手の最終ラインには山梨学院大附高(現山梨学院高)の1学年先輩、渡辺剛がそびえ立つ。
前田は高校入学後、1年生のときから3年生のチームに入って練習しており、先輩の渡辺もいた。
「僕が2年生のときは、悪さをして(高校の部活では)サッカーをしていなかったので、あまりやっていませんけど、悪さがばれる前にはやっていましたね」。口調は徐々になめらかになり、「とにかくヘディングが強いし、なおかつスピードもあるので、嫌な選手だと思います。向こうも後輩には負けたくないと思うので、良い試合ができたら」と力強く言った。
FC東京には、年代別代表でともに戦ったGK波多野豪やFW田川亨介もいる。「豪は、うるさいだけ(笑)。亨介はスピードもフィジカルもあるので、そこも面白い対戦になるんじゃないかな」とコメントし、対戦を心待ちにしていた。
そして、自分自身のゴールが生まれれば最高だ。「いつも取りたいという気持ちでやっているので、次に取れれば」。9月27日の第19節・柏レイソル戦以来、約1カ月、7試合ぶりのゴールを狙う。