上写真=10月23日のトレーニング中のザーゴ監督(写真◎KASHIMA ANTLERS)
「スタジアムに足を運んでください」
新型コロナウイルス禍の影響で過密日程を余儀なくされている今季のJリーグ。その中でも、鹿島にとっては最大の難所を2勝1敗で乗り切ったと言えるかもしれない。鳥栖、札幌、神戸と、前節まで長距離移動を強いられる中2日でのアウェー3連戦。指揮官が「戦略的なものを、チームとしてうまく表現できなかった」と振り返る札幌戦は敗れたが、鳥栖と神戸を撃破し、2勝1敗で連戦を終えた。
前節までに積み上げた勝ち点は「42」。順位は6位につける。首位川崎Fの背中は遠いが、試合数にバラつきはあるものの、2位のC大阪との勝ち点差を「6」とした。「最低でも来年のACL出場枠(3位以内)。みんなで達成しなければいけない」と、指揮官はさらなる上位浮上を目指す。
今季のJ1リーグ戦で、鹿島に残されたのは9試合。当初の日程から前倒しされた試合もあったため、9試合中7試合がホームゲームとなっている。シーズンの佳境に本拠地カシマスタジアムで多くの試合を戦えることは、さらなる巻き返しを図る鹿島にとって追い風となるだろう。ただ、現状では「アウェーの勝率(53%:8勝7敗)よりも、ホームの勝率(50%: 5勝3分け2敗)がなかなか上がらない」だけに、「ホームでいかにして勝率を上げるかが、重要なキーファクターになる」とザーゴ監督は話す。
「ホームで勝ち点をしっかりと取ることができれば、上位陣に食らいつき、追い抜くことができると考えています。まず明日の試合から、その目的をチームとしてしっかりと達成することができればと思っています」
そして、その目標を果たすためには、ホームのサポーターの後押しが必要であることをザーゴ監督は強調する。
「ここが(シーズンの)大詰めです。こここそ、我々のサポーターの後押しや応援が非常に重要になります。チームだけではなくて、サポーターも含めた『みんな』で、このホームの試合をしっかりと戦っていく。多くのサポーターにホームの7試合に来てもらって、制限がある中での応援の仕方で、我々の後押しをしてもらえればと思っています。みんなで残り(の試合を)全勝して、最終的に良い成果を出すことができれば。だから、多くの(サポーターの)みなさん、スタジアムに足を運んでください。期待しています」
出足でつまずき、苦しんだ今季のJ1リーグ戦。開幕戦で広島に0-3と完敗したことから始まった。10月24日、カシマスタジアムで相対するのは、そのときの対戦相手でもある広島だ。
「あのとき、我々は(新体制が)スタートして、選手たちがどういうことをやるのか、まだ完全に理解して実行できる状態ではなかった。あれからチーム自体は向上しました。選手個人もだいぶ理解して実行できるようになってきているので、お互いのチーム状態はまったく違います。我々はインテンシティーを持ちながら、相手陣内でプレッシングをかけて、(ボールを)奪っていく。ボールを持っていないときはそういう役割をし、ボールを持っているときは自分たちのやるべきことをしっかりやらなくてはいけません。(前節の)ヴィッセル戦は90分間、我々の流れだったかと言うとそうではなかったけれど、(そういった状況では)それなりのチームの戦い方がある。臨機応変にそれぞれの状況、それぞれの場面でやるべきことをチームとして精査して、できるようになってきています。相手よりもまずは自分たち(のパフォーマンス)というところをしっかり意識しながら、また明日の試合でそういったことをやっていかなければいけません」
あれから8カ月。復調したザーゴ体制1年目の鹿島が開幕戦のリベンジを果たし、ラスト9戦全勝へのラストスパートをかける。