上写真=大活躍だった小池だがチームを勝利に導けなかったことを悔やんだ(写真◎J.LEAGUE)
1ゴール1アシストの活躍
相手をほぼ自陣に張り付かせた。押し込んで左右のクロスから何度も好機を創出した。Jリーグの公式記録によればシュート数は神戸の3本に対し、26本。圧倒的に攻め込んでいたことが数字からも分かる。ポゼッションも6割を超える。ゲームを支配したのは間違いないく横浜FMの方だった。
右のウイングバックで先発した小池龍太は攻めに攻めるチームで存在感を示した一人だろう。まずは立ち上がりに、アシストという結果を残した。右サイドでフリーでボールを持つと、中央でフリーになったエジガル・ジュニオにドンピシャのクロスを届けた。「合わせるだけでした」と受け手のエジガルも称賛した抜群の精度だった。
そしてアディショナルタイムにはチームの2点目をスコアした。怒とうの攻めを見せていた時間帯。立て続けに放った大津祐樹、前田大然のシュートは相手GK前川黛也に弾かれたが、こぼれたところに小池が待っていた。豪快に右足を振り抜き、ゴールをも見事に射抜いた。
1得点1アシスト。破格の活躍だろう。しかし、本人は満足していなかった。
「90分を通してマリノスのサッカーは見せられたと思います。(前節の)鳥栖戦で自分たちのサッカーではないサッカーをしてしまった。だから自分たちのサッカーで結果を残そうと強い気持ちを持って取り組み、それが実践できたと思います。ただ、結果が残せなかったのは課題。個人としては1ゴール1アシストをできましたが、もっとアシストだったり、ゴールを取れたと思う。最後のクオリティーはもっと追求しないといけない」
圧倒的に攻め込み、ゲームを支配しながら、3失点を喫して試合には敗れることになった。個人の出来よりもチームを勝利に導けなかったことを、小池は悔いた。そして同時に、課題を口にし、次に向けて前を向いた。
敗れはしたが、神戸戦でマリノスらしさを取り戻したことは事実だろう。ここまで成績も内容もなかなか安定しなかったが、ポステコグルー監督は「長い間できなかった最高のパフォーマンスを選手たちが発揮してくれた。失点した3点以外に相手のチャンスはなかった。自分たちはチャンスを生かし切れない結果にはなったが、良いサッカーができた」とゲーム内容を振り返った。
次戦(7日)はルヴァンカップ準決勝。場所はこの日と同じ三ツ沢球技場。負けられない一戦を前に、求めてきたプレーを出せたのはチームにとってポジティブな要素だ。そんなゲームの中で、小池龍太は右の翼として大きな輝きを放っていた。