10月3日のサガン鳥栖戦で、鮮やかなミドルシュートで3点目を決めたサンフレッチェ広島MF青山敏弘。2018年5月以来となるゴールは、完全復活をこれまで以上に強く印象付けるものとなった。

上写真=後半に鮮やかなミドルシュートで3点目。感触や心境は、この表情を見るだけでも分かる(写真◎J.LEAGUE)

■2020年10月3日 J1リーグ第20節(@Eスタ:観衆3,765人)
広島 3-0 鳥栖
得点:(広)浅野雄也、東俊希、青山敏弘
    (鳥)なし

「すごく良いゴールだった」

 10月3日の明治安田生命J1リーグ第20節で、前半からサガン鳥栖を圧倒していたサンフレッチェ広島に、勝利に大きく近づく3点目が生まれたのは56分。左CKを短くつなぐと、エリア外ではMF青山敏弘がフリーで待っていた。

 トラップで短く前に出し、右足を振り抜く。「鳥栖の選手が自分をケアしていないのは、ボールが来る前に見えていた。トラップで良いところに止めることができたので、シュートを打とうと決めていた」というミドルシュートは、少しブレながら強烈な勢いでゴール右に決まった。

「弾道が低くて速いボールだった。すごく良いゴールだったと思います」と自画自賛する鮮やかな一撃。2018年5月のJ1第13節・ヴィッセル神戸戦以来、実に2年5カ月ぶりとなるゴールだった。

 18年は開幕からのハイパフォーマンスが評価され、ロシア・ワールドカップのメンバーに選ばれたが、右ひざの負傷で大会前にチームを離脱。19年1月のアジアカップのメンバーにも選ばれたものの、やはり右ひざの痛みで大会中に離脱した。

 アジアカップ後にクラブに戻ってきたときは、歩くこともままならないほどだったが、昨季途中に復帰し、今季も開幕からコンスタントに先発出場。「そのとき、そのときでベストを尽くしてきました。もちろん良くない時期もあり、前向きにできないこともあったかもしれないですが、周りの皆さんの支えのおかげで、いまがある」と道のりを振り返った青山は、「それを今日ゴールという形で、ここまで来ることができたと示せたと思う。一つ大きく前進できたようなゴールだった」とかみ締めるように言った。

 城福浩監督が「まだまだ上に食らいついていきたいと思っている」と語る広島にとって、今後も青山の存在は重要なものとなりそうだ。「最近ゴールに絡むプレーがあまりできていなかったので、また自分の存在を示したかった。自分にとって一番必要な、大きな一歩になるようなゴールだと思う」と喜んだ青山は、「もう一度自分の武器になるくらい、また次のゴールを目指して練習したい」と、早くも次のゴールを見据えていた。

現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE、Getty Images


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