上写真=2カ月ぶりの湘南戦へ向けて調整する永木(写真◎鹿島アントラーズ)
みんなが自然にできている
前回、7月22日の対戦では0-1で湘南に敗れた。CKから得点を許した。リーグ戦で開幕4連敗を経て、ホームで横浜F・マリノスに勝利した翌節のゲーム。連勝を飾って勢いに乗りたかったが、かなわなかった。当時はまだ、チームのベースが出来上がっていなかったという見方もできるかもしれない。
しかし、あれから2カ月が経ち、鹿島は大きく進歩を遂げた。ザーゴ監督が押し進めるサッカーが浸透し、結果が出せるようになった。現在チームは6連勝中。明日の湘南戦には11年ぶりの7連勝がかかっている。
そんな重要な試合を翌日に控え、永木亮太が取材に応じた。三竿健斗が累積警告で出場停止であり、明日はボランチでの出場が有力視されている。
「今、6連勝でチームとしてもすごく良くなって来てますし、結果もついてきている。ただ、いつも通りというか、普通の事を普通にやれれば、結果がついてくると思っています。この間は(湘南に)アウェーでは悔しい思いをしましたし、セットプレーでやられているので、そういうところを注意してやれればと」
特別なことは何もない。普段通りで戦うだけーー。裏を返せば、普段通りやり切れば、勝利をつかむ自信があるということだろう。三竿の不在に関して聞かれても「自分としては本当に、いつも通りというか、本当に普通のことを普通にやるだけだと思っています。何かうまいことしようとか、点を取ってやろうとか、そういう気持ちではなくて自然体で、普通でいきたい」と、そのスタンスは変わらなかった。
永木の自信を裏付けるように、キャンプから取り組んできたサッカーを、いまチームは「自然」な形で実践している。試合中に選手がつなぎ場所を探したり、誰もいない場所にパスをするようなミスは減り、攻撃から守備への切り替えも格段に早くなった。その結果、6連勝である。
「ザーゴ監督が掲げるポゼッションだったり、ボールを取られた後の切り替えだったり、そういうところがみんな自然にできている。考えなくても体が自然に動けて、やれているという印象があります」
ベースはできつつある。そして大きいのは、従来の鹿島の強みも発揮されていることだ。
「序盤のほうはルーズボールで行けていなかったのが、ここ最近は行けるようになってきた。そういった小さなところで勝利をもぎ取れるようになってきた」
「コンディションが上がってきて、鹿島のサッカーに慣れてきて、やらなければいけないことが明確に分かってきている。その中で、そういうプレーも表れていると思う。新しく入ってきた選手たちも半年経って、いま勝ち点が取れるようになり、自信にもつながって、そういうプレーが出せるようになってきている」
ボールへのアプローチや球際の激しさ、そして勝利に対する執着心は鹿島の変わらない強みだろう。それがチーム全体で出せていると永木は指摘した。もちろん、「もっとパスミスを減らすこと」や「失点を減らすこと」など課題もあるが、チームが良い方向に進んでいるのは間違いないと。
明日の湘南戦、2カ月前よりも進歩した姿で7連勝を成し遂げられるか。
「いまは誰が出ても連勝でできている状況ですし、自分が出てもその流れに乗っていければ」
永木は7連勝達成に力を尽くし、チームとしてまた一歩、前進することを誓った。