上写真=前節の鳥栖戦で10試合ぶりの勝利を手にした札幌のミシャ監督(写真◎J.LEAGUE)
このやり方を成熟させていく
シーズンのちょうど半分を終えて、勝ち点17の13位。決して満足できる成績ではないものの、前節、サガン鳥栖に勝利したことで改めて指揮官は確認していた。
「私は毎試合、コンセプトを変えるような監督ではない。後半戦も、これまで自分たちが見せてきたようなハイプレスを仕掛け、運動量があり、球際で戦い、規律のある、攻撃的なサッカーを継続してやっていく。それがわれわれ、札幌だ。
なかなか結果が伴わない試合が続いていたが、やっていることは間違いなかった。札幌が非常にアグレッシブなサッカーをしていたのは皆さんも見て分かっていたと思う。今シーズンはこのサッカーを継続していく。それは今後のトレンドであり、われわれが目指すべきサッカーだ。このやり方を成熟させていくことを、後半戦もチャレンジしていきたい。そして来年につなげていきたい」
鈴木武蔵、ク・ソンユンという主力がシーズン途中に移籍したことで、チームはスタイルの修正を余儀なくされた。そこからブレずに取り組んできたことが、鳥栖戦で結果となって表れた。後半の戦いぶりはまさに狙い通りだったと言っていい。勝利することで自信を得ることができた。そうした成功体験を続けながら、チームをさらに成長させたいと指揮官は考えている。
中2日で迎える本日(19日)のガンバ大阪戦も狙うのは当然、勝利。ミシャ監督は言った。
「今週は中2日でのゲームが続き、水曜日は長い移動を伴った試合が入っていた。木曜日の夕方に(鳥栖から)戻ってきて、リカバリーして、金曜日1日の準備で土曜日に試合。ガンバ大阪は水曜日に試合がなく、1週間しっかり準備した中で臨んでくる。そういう厳しい条件下での試合になるが、選手たちはこれまでの連戦で自分たちのできるベストな準備をして試合に臨んでくれたし、ピッチでもベストを見せてくれた。ガンバ戦も同じようにベストを見せてくれると思う」
コロナ禍でリーグ戦を戦う今シーズンは、すべてを受け入れ、その環境の中で戦う適応力と強さが求められている。
「ガンバは非常に質の高いチームだ。伝統があり、これまで多くのタイトルを取ってきたクラブ。選手の質も高い。中断明けから良いサッカーをして、良い結果を出していた時期もある。勝てないゲームもあったが、狙いが明確にあり、それを実行する選手がいる。難しいゲームになるだろう」
難しいゲームに難しい条件下で勝つことができれば、鳥栖戦で得た自信がさらに大きく膨らむ。
「札幌のサポーターだけではなく、日本のサッカーファンが『このサッカーは面白いぞ』と思われるようなサッカーをこれからも目指していきたい。毎試合、それを実戦していきたい」
ミシャコンサドーレは、ガンバ戦も自分たちのスタイルで臨み、今できるベストを尽くす。それが後半戦に、そして未来につながると信じて。