上写真=チームは5連勝中だが、ザーゴ監督はさらなる向上を目指すと力強く語る(写真◎鹿島アントラーズ)
重要なのは相手よりも自分たち
目下、6戦負けなしで5連勝中。信念をもって取り組んできたことがようやく形になってきた。勝利を収めたこの5試合で無失点試合がないのは気がかりだが、すべて複数得点を記録し、勝ち切っている。攻撃的なアントラーズという新しい側面を示しつつある中、次節の相手は2位のセレッソ大阪。リーグ最少失点の堅い守備を誇り、1試合平均で0.82失点と、1点取ることも容易ではないチームだ。
ただし、セレッソの堅い守備ついて聞かれたザーゴ監督は、相手のことよりも自分たちにフォーカスして言った。
「重要なのはやっぱり相手よりも自分たちの強度。動き、人、ボール、パス、というすべてにおいて強度を持続することが重要になる。ボールスピードやパススピードをあげて、自分たちのペースで戦えるかどうか。勝ち点12差がある相手なので、それを縮めるチャンスなわけで、しっかり強度をもって戦うことが重要だ」
セレッソの縦横に圧縮するプレスをかいくぐり、ゴールネットを揺らすことができるかどうか。鹿島からすれば、幅と深さを取りつつ、プレスを空転させるような攻撃を狙いたいところだろう。あるいはプレス網を飛ばすのも一つの手。
「守備的なチームに対してはボールスピードを上げて揺さぶりをかけて、進入するスペースを見つけ出すことを徹底してやらなければいけない。ただし、相手が守備が堅いチームだからといって、変にそこを意識する必要はないと思う。落ち着いてしっかりやるべきことをやることだ」
指揮官は、これまで通りの戦い方の精度を上げて臨む姿勢を示した。
「一瞬だけ成功を手にすることはできても、それを継続し、高いレベルを持続することは難しい。選手には変わりなく、継続しようと選手に話した。今週の練習は非常に充実していたと思う。
あとは試合でやってきたことを落ち着いてできるか。それが重要。勝ち点差を縮めるチャンスなので、選手たちのモチベーションも高い」
相手も6連勝中。好調チーム同士の対戦は鹿島の攻撃とセレッソの守備という構図で見られがちだが、ことはそう簡単ではない。セレッソは前節の神戸戦こそ1点に留まっているが、それ以外の5勝はすべて複数得点を記録している。決定力は、特筆もの。清武弘嗣、坂元達裕ら好調なアタック陣をいかに封じるかもポイントになる。しかも前述の2人は前節温存されている。
鹿島にとってセレッソ戦は、後半戦に向けた試金石となる試合と言えるかもしれない。全力で勝ち点3をつかみにいく。