上写真=決勝点をマークした高木を丸橋が祝福する(写真◎Getty Images)
■2020年9月13日 J1リーグ第16節(@日産ス:観衆4,918人)
横浜FM 1-2 C大阪
得点:(横)エリキ
(C)清武弘嗣、高木俊幸
出場直前に状況が変化
1-1で迎えた60分過ぎにロティーナ監督から声が掛かった高木。控えメンバーから盛大に送り出され、ピッチ脇で出場の準備をしていると、横浜FMのDF伊藤槙人が一発レッドで退場となった。「入る寸前で相手に退場者が出たので、仕事をしないといけないなと。多少プレッシャーもありました」。残り時間は25分。「これは勝ちに行かないといけない」と覚悟を決めてピッチに入ったという。
その思いが実ったのは86分。坂元達裕が得意のドリブルで右サイドを突破し、鋭いクロスを送ると、その先に待っていたのは高木だった。「ほとんどタツのゴール。自分は中に立っていただけなので(笑)。タツに感謝したい」。右足で冷静に合わせ、今季リーグ戦初ゴールが値千金の逆転弾となった。
今季はケガで出遅れた。昨年から腰の負傷に悩まされ、今年3月に腰椎分離症の手術を実施。8月9日のJ1第9節・FC東京戦で戦列に復帰し、同月12日のルヴァン杯第3節・ベガルタ仙台戦でゴールを挙げていたが、リーグ戦での得点は昨年7月13日の名古屋グランパス戦以来。少しほっとした表情で「リーグ戦で得点が取れたのは自信になった」と語った。
現在のコンディションについて「ケガの影響も特になく、良いコンディションでプレーできている。より試合に絡んで、もっと試合で動けるような体に仕上げていきたい」と高木。「今月は特に連戦が続くので、全員が良い準備をして、いろんな選手が試合に絡んで結果を出していければ、シーズンの最後まで戦い抜くことができると思う」。この日は首位の川崎フロンターレも勝利し、勝ち点は8差のままだが、C大阪は1試合消化が少なく逆転優勝の可能性は十分に残されている。殊勲の高木は「自分たちはとにかく結果を出して前に進んでいくだけ」と、連戦に向けて気合いを入れた。
取材◎多賀祐輔 写真◎Getty Images