来季から北海道コンサドーレ札幌に加入することが内定している国見高校の中島大嘉が現所属チーム登録のままJリーグの試合に出場することが可能な「特別指定選手」と認定され、現在、札幌の練習に参加中だ。9月末まで参加期間に『出番』あるか?

上写真=9月1日には国見高校で入団会見が行なわれていた(写真◎北海道コンサドーレ札幌)

ワンチャン狙って来ました

 サッカー選手としてのポテンシャルの高さもさることながら、天真爛漫なキャラクターでも多くのサポーターを魅了しそうだ。来季から札幌に入団することが決まっている国見高のFW中島大嘉が特別指定選手となり、9月末まで札幌の練習に参加している。

 練習初日となった10日には、オンラインによるメディアの取材に対応。始まる前から「楽しいっす」と人懐っこい笑顔を浮かべて取材陣の雰囲気を和ませつつ、質問の一つ一つにまっすぐに答えていった。

 札幌は初めて?

「以前練習を見に来たときは初めての札幌でした。まだ、寮の周りくらいしか散策できていないですけど、もっと田舎なのかなと思っていたら、都会で、涼しくて、いい感じです」

 練習参加の印象は?

「みんな優しくて、スタッフとかも優しかったので、居心地はすごくいい。トレーニングもやっぱり基礎的な技術がすごく高くて、プロは凄いなと思いました」

 笑顔が絶えない取材の中で、真剣な表情を見せたのは、直に触れたプロの世界について聞かれた時だった。

 入団が決まってから初めての練習だったが?

「今までプロのチームに練習参加するときには、プロチームの練習に参加させてもらっているという気持ちだったんですけど、来年から入団ということになり、もう競争なんで。お客さん気分ではダメだと思っています」

 高校レベルではすでに図抜けた存在だが、自分の立ち位置については冷静に見つめている。

「スピードと高さは自分のストロングだと思っていて、そこは通用するかなと勝手に思っています。でもサッカー選手として必要な力はまだめちゃくちゃ低いので、そこは今年の間に高めて、来年のスタートの時点で少しでもプロのレベルに持っていけたら…持っていこうと思っています」

 どんなところ練習参加で身につけたい?

「ジェイ選手がやっぱりポストプレーのレベルがすごく高いと思っています。試合を見ていても、『それを収めるんや』と思うことが多くて、そういうのはどんどん盗んでいかないといけないと思います。ジェイ選手の年齢が自分の親と同じなんで、けっこうすごいな、と。お父さんと同じなんでグイグイいこうかなと思います(笑)」

 自分が成長するためには、親子ほど年齢が離れた選手にも臆せず「グイグイ」いこうとする。そのメンタリティーはプロ向きだろう。

 練習参加は9月30日までを予定。出場機会を得るのは難しいと話す一方で、「ワンチャン狙って来ました。自分としてはラスト10分とかやったら力になれるのではないかなと思っていて、でも厳しい世界なので分からないですけど。自分的にはワンチャン狙って、練習からアピールしていきたいと思います」と、お客さんでは終わらないと意欲を示した。

 すでに入団会見で話しているように抱いている夢は、大きい。バロンドール(世界優秀選手賞)の受賞だ。そのためには札幌から世界へ駆け上がっていくことが必要だが、今夏、札幌からベルギーに移籍した鈴木武蔵という良いお手本もある。

「武蔵さんが自分と似たようなタイプで、代表に入って海外に行っている。分かりやすい道しるべというか。武蔵さんと話す機会があって言っていたのは、『身体能力で点を取るのは、たまにでいい。FWとしての動き出しやポジショニングで点を取るほうが自分はうれしい』ということでした。自分はまだ身体能力に頼っている部分があるので、他の部分で点を取れるようになったら得点パターンも増える。頭を使ってサッカーができるようになったら、目標に近づけると思っています」

 今回の練習参加を終えたら、国見のエースとして全国を目指すことになる。「めちゃくちゃ期間が長いわけではないので、吸収できるものをしっかり吸収して、国見に帰った時に自分の力で全国に連れていけるくらいの選手になろうと思っています」。国見を全国へ、札幌から世界へ。胸に抱く思いは強く、夢はどこまでも大きい。

 能力はもちろん、純度100パーセントの笑顔とまっすぐな言葉でこれから多くのファン・サポーターを魅了することになりそうだ。そのキャラクターもまた、プロ向きと言えるかもしれない。


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