FC東京の長谷川健太監督がヴィッセル神戸戦を前にオンラインで取材に応じた。若い選手たちが起用に応えている現在のチーム状況について語るとともに、シーズンの後半戦へ向けて一戦必勝で戦うことを誓った。

上写真=神戸戦に向けてチームを指導する長谷川監督(写真◎FC東京)

目の前の試合に100パーセントで

 原大智、波多野豪、中村拓海、木村誠二と、昨季までFC東京Uー23で戦っていた若い選手たちが7月末から続々とJ1デビューを果たした。さらに内田宅哉、品田愛斗ら昨季までにJ1に出場したことがあっても、まだ『戦力』にはなり切れていなかった選手たちも同時期から先発の機会を得た。現在のチームは若手の台頭が著しい。

 もちろん、過密日程を乗り越えるために全員で戦うことが必要なのは確かだが、長谷川監督は「若い選手が結果を出してくれることはチームにとって大きなこと」と語る。ただの人数合わせではなく、前述の選手たちは、しっかりと役割を果たしている。チームは今、日進月歩で戦力の拡充を進めているわけだ。

「良いサイクルというのは一つの結果とか、試合で 流れが変わってしまうのもの。こういう流れをチームとして続けていけるように、危機感を持って準備をしていかなければならないと思っています」

 好循環にあるからこそ、指揮官は気を引き締めた。シーズンはまもなく折り返しを迎えるが、現時点で首位・川崎フロンターレの差は10ポイント。届かない数字ではないものの、意識していないと長谷川監督は話した。

「われわれはわれわれの試合をしっかりと戦っていくしかない。川崎どうのこうのというよりは、目の前の試合を一戦一戦100パーセントで戦っていくしかないと思っています」

 ただ、ガンバ大阪を率いていた2014年に三冠を達成した指揮官はこうも言った。

「昨年の横浜F・マリノスもそうですけど、ここからしり上がりにチーム状況が上がっていくチームが優勝すると思います。ガンバで優勝したときも前半戦はよくなかったんですが、W杯の中断前から中断明けで、グッとチーム力が上がっていくということがありましたので、ここからどのチームが状態をあげていけるか、いうところが後半戦の勝負になるのかなと」

 後半勝負と考えれば、新システムが浸透し、若手が台頭してチーム力を底上げしている現状はポジティブな状況と言えるだろう。むろん、優勝争いに本格的に加わっていくときには経験値も必要だが、過去の例を見れば、初優勝を成し遂げる際には『勢い』や『流した涙の数』もまた重要な要素となっていた。すなわち、若い選手たちが勢いをもたらし、昨年あと一歩で優勝を逃した悔しさを糧に戦うFC東京には十分に資格があるということだ。首位までの差は確かに大きいが、頂点に立つのは絵空事というわけでもない。

 ここから先に何が起こるかは、まだまだ分からない。長谷川トーキョーは目の前の試合に注力し、一つ一つ階段を上っていく。


This article is a sponsored article by
''.