8月26日、明治安田生命J1リーグ第15節が開催された。味の素スタジアムではFC東京と横浜FCが対戦。ホームのFC東京は横浜FCに先制を許すも田川亨介、原大智と若い2人のFWが素早い反転からファインゴールを決めて逆転に成功。勝ち点3を手にした。

上写真=同点ゴールを決めたFC東京のFW田川亨介(写真◎J.LEAGUE)

■2020年9月9日 J1リーグ第15節(観衆4,941人/@味の素)
FC東京 2-1 横浜FC
得点:(F)田川亨介、原大智
   (横)皆川佑介

・FC東京メンバー◎GK林彰洋、DF中村帆高(71分:中村拓海)、渡辺剛、木村誠二、小川諒也(90+1分:丹羽大輝)、MF髙萩洋次郎、アルトゥール・シルバ、三田啓貴(71分:内田宅哉)、FW田川亨介(71分:原大智)、永井謙佑(46分:アダイウトン)、レアンドロ

・横浜FCメンバー◎GK南雄太、DF瀬古樹(89分:熊川翔)、伊野波雅彦、小林友希、袴田裕太郎(76分:志知孝明)、MF齋藤功佑(83分:レアンドロ・ドミンゲス)、安永玲央、手塚康平、松尾佑介、FW瀬沼優司(89分:斉藤光毅)、皆川佑介(76分:一美和成)

互いにフレッシュな顔ぶれの対戦

 FC東京はディエゴ・オリヴェイラ、安部柊斗、森重真人という攻守の中心がメンバー外。CBに木村を初先発させるなど、フレッシュな陣容でこの一戦に臨んだ。一方の横浜FCも前節の鳥栖戦から先発5人を変更。本来ボランチの瀬古は引き続き右サイドバックで起用し、ビルドアップの要であるMF佐藤謙介はベンチ外。代わりにJ1で初出場・初先発の安永をピッチに送るなど、こちらも新鮮な顔ぶれとなった。

 先にスコアを動かしたのは横浜FCだ。17分、数本のパスをつないで中央からゴールをこじ開ける。手塚からのパスをゴール正面、ボックス手前で受け取った松尾はすぐさま皆川へボールを預けた。だが、相手DFにつつかれて収まらず。ならばと、再びこぼれ球を拾って縦パス送ると、齋藤功がスルーし、ボックス内の皆川がダイレクトで浮き球パスを出した。この瞬間、ボックス内に横浜FCの選手は3人入り込んでいた。

 皆川の浮き球パスは走り出していた齋藤功に合わず、DF中村帆にクリアされたものの、ボール落下地点には皆川が待っていた。ダイレクトで右足を振り抜き、ゴール左隅を射抜く。下平隆宏監督もいい形で取れたと振り返った先制点だった。

 横浜FCがパスワークで密集を突破してゴールを挙げたの対し、FC東京は一本のパスで歓喜を手にしてみせる。30分、髙萩が相手守備陣の間を縫うように鋭い縦パスを送ると、横浜FCの左CBと左サイドバックの間に入り込んでいた田川にピタリ。田川はトラップから素早く反転し、そのまま右足を振ってネットを揺らした。髙萩から「動き出しが少し早い」と言われていた田川がタイミングを見計らい、そして見事にボールを受けて、回転して、振り抜いて決めた。二人の阿吽の呼吸が生んだゴールによって、FC東京は前半のうちに同点とした。

 後半、永井に代えてアダイウトンを投入したFC東京は、守備局面で高い位置から相手を監視下に置き、ビルドアップを寸断しては前に出た。徐々にペースを握ると、終了間際の85分に待望の勝ち越しゴールを奪う。左サイドから小川が送ったクロスは一度相手に当たったが、こぼれ球を途中出場していた原が収めて、田川と同じように鋭いターンから右足を振りぬく。相手GK南の頭上を抜いてボールをゴールに突き刺さった。

 逆転に成功したFC東京は2枚替えで攻勢に出た相手の圧力をいなしつつ、しっかりゲームをクローズさせる。若い選手たちの活躍でリーグ戦3連勝を達成した。

「難しい展開でしたけど、よく逆転で勝ってくれたと思います。1点先制された中で(田川)亨介が初ゴールを決めてくれた。大きな得点だと思いますし、難しい展開、時間帯の中で(原)大智が勝負強さを出してくれたのも大きかったと思います」

 長谷川健太監督も若い選手たちの活躍を称えた。今季は過密日程で常々、「総力戦になる」と指揮官は話してきたが、初先発した木村の奮闘も含め、若い力が躍動して手にしたこの1勝はチームにとって大きい。FC東京の未来を明るく照らす選手たちが着実に育っているーーそう、強く感じさせるゲームだった。

現地取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE


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