上写真=仙台戦へ向けてトレーニングする土居聖真(写真◎鹿島アントラーズ)
みんなの自信と一体感を感じる
8月23日のガンバ大阪戦からトップ下で起用されている土居は以降の4試合で3得点。途中出場した柏戦の2発は記憶に新しいが、右サイドハーフから中央へとポジションを移したことで、まさに水を得た魚のごとく、生き生きとプレーしている。前節の名古屋戦でも相手を突き放す重要なゴールを決めた。
「名古屋も前半で0-2にされて、早い時間帯に1点返せればという気持ちがあったと思います。その中で僕らにとって悪い時間帯に失点してしまっていた。流れもちょっと相手に傾きかけたところで良い時間帯に点を取って、それを断ち切れたかなと思います」
決定的なプレーの数が増えているのは本人も自覚するところだ。
「正直、(リーグ)再開後はずっと右サイドハーフで出ていて、少しモヤモヤというか、『トップ下で出たいなあ』と心の中で思いながらやっていました。右サイドで出ていたときは『我慢だな』と自分に言い聞かせて、いつか絶対、トップ下で使われるときが来るだろうと思っていました。今は力を貯めていたというか、トップ下で出たいという欲が解放されたじゃないですけど、そういう思い。ガンバ戦からトップ下になったんですけど、そこからより自分らしいスペースへの飛び出しだったり、組み立ての部分だったり、チャンスメークの部分だったりというのが、思い切りやれるようになりました」
確かに、土居の飛び出しや中央でボールを引き出す動きが相手に脅威を与え、そして鹿島の攻撃を活性化させている。
「チームの攻撃に関して、より自分が担えるようになったと思います。そこから(自分の)得点も増えていますし、ずっと負けなしで来れているので、チームにとってよくなったかどうかは分からないですけど、自分個人としては(ポジション変更が)一つの転機と言いますか。右サイドでもしっかりやり続けていた結果、今、いい流れになってきているのかなと」
G大阪戦以降は3勝1分けの負けなし。とくにFC東京、柏、名古屋という上位陣とのアウェー3連戦で3勝を挙げたのは大きい。
「直近、上位にチームと対戦が続いているんですけど、そこに負けずに食らいついていけた。1試合ごとにみんなの自信と一体感を感じていますし、ここから這い上がっていかないといけないと思っています」
自信を携え、3連勝の勢いを駆って臨む明日9日のホームゲーム、ベガルタ仙台戦については「アウェー3連戦からホームに戻ってくるというところで、そこで得た自信や強さをしっかり見せなければいけないと思います。ホームで負けてはここまでの3連勝も無駄になってしまう。もう1回気を引き締めて。連戦でもありますし、チーム全体で戦えればと思っています」と意気込んだ。
まずは4連勝。そしてその先へーー。トップ下の土居は、未来も見据えて準備を整えている。