上写真=いま首位でも最後に上にいないと意味がないと家長は話した(写真◎Getty Images)
全員に刺激をもらう良い循環
チームは現在首位。2位セレッソ大阪よりも消化試合は1試合多いが、8ポイント差をつける。まさに絶好調と言えるが、そんな現状にはあまり意味がないと家長は言う。
「いつも思うのは途中経過はあんまり。結局、最後に優勝しないと意味がなくなると思うので、最後が一番大事。何点取ろうが、何勝しようが、最後に優勝できなかったら、あんまり意味がない。結局はそこなのかなと思ってやっています」
一喜一憂せず、やるべきことを粛々とやっていく。その言葉に家長のスタンスが表れる。一つのプレー、目の前の試合に力を注ぐ。その積み重ねがひいては勝利を引き寄せ、タイトルの獲得につながっていく。これまでも、そしてこれからも、それが家長昭博というプレーヤーの変わらないスタンスなのだろう。
ピッチ上では今季、右ウイングやインサイドハーフでプレーしている。前節の横浜F・マリノス戦では、右ウイングで先発し、後半はインサイドハーフでプレーした。そして、その後半に勝ち越しゴールをスコア。「いい形で(大島)僚太が抜け出してくれて、あとは流し込むだけでした」と感想が素っ気ないのは、自身の仕事を全うしたに過ぎないからか。ポジションについても「自分としてはどちらでも」。それぞれの役割はもちろん異なるが、「どちら(のポジション)が楽しいとかそんなのはないです。どちらも楽しいし、勝つのが一番楽しい」ときっぱりと話した。
今季3度目の対戦となるヴィッセル神戸戦(9日)に向けては「お互いのやり方だとか、特徴だとか、いろんな部分は2試合で見えてきていると思います。相手も、この前僕たちに、0-6で負けたので(ルヴァンカップ準々決勝/9月2日)、また変えてくるとは思いますけど、そのへんはあまり深く考えずに、試合が始まってから、いろいろと相手を見ながら、やれればと思います」と話し、これまで通りのスタンスで試合に臨むつもりだ。
例年と少し異なるのは中村憲剛の不在時に、フィールドプレーヤーで最年長になるケースが増えたことくらいか。
「自分にとっても憲剛さんが横にいるときというのは、年齢もキャリアも上で、本当に頼れる存在なので、どこか頼りにしちゃっている部分があります。今、フィールドでは自分が一番上になることが多いので、そういう意味では、ある意味で自分が一番頑張らないといけないと思います。年齢でどうのこうの言うのはあれなんですけど、一生懸命でやらなくちゃいけないなというのは感じますね」
多くの選手が川崎Fの練習は刺激的と話すが、家長も「若い選手もそうですし、試合出ていない選手もベテランもそうですけど、全員に刺激をもらいますし、そういう良い循環はあると思います」とという。そんな中にあって、スキルフルでパワフルで決定的な仕事をやってのける家長も当然、仲間に良い刺激を与えているはずだ。家長の日々の「一生懸命」が、チームをまた、好循環に導いていくーー。