上写真=右ヒザを負傷していた高嶺。前節の名古屋戦が8月12日以来の実戦だった(写真◎Getty Images)
アウェーでは途切れない運動量に圧倒された
8月12日のルヴァンカップ・横浜FC戦で右ヒザを負傷し、以降のリーグ戦4試合を欠場していた高嶺は、前節の名古屋戦(29日)で復帰を果たし、約10分間プレーした。本人は「問題なく試合に入れたと思います。落ち着いてゲームに入れて、ボール奪取だったり、自分の特長は出せたかな」と久々の実戦を振り返り、万全の状態で明日の横浜FM戦に臨めると話した。
チームは今季、すでにリーグ戦で2度、横浜FMと対戦している。7月26日にホームで快勝し(3-1)、ちょうど1カ月後の8月26日にアウェーでは大敗した(1-4)。高嶺は完勝したホームでの試合に先発し、76分間プレーした。この2試合の違いについて、本人の見立てはこうだ。
「90分途切れない運動量で、アウェーでは圧倒されたと思う。ホームでは逆に運動量や球際(の争い)という部分で相手にまさっていた。次は、この前の借りを返したいと思います」
マンツーマンで前からハメにいって、見事に相手を封じ込めたのがホームでの試合だった。高嶺の言うように、運動量と球際バトルで相手を上回ったことがポイントだった。だが、アウェーでは一転して運動量で圧倒され、マークはことごとく外されて終始、後手を踏むことになった。高嶺自身はこのアウェーゲームは欠場中だったが、悔しい思いはチームと共有している。
「相手は常に速いテンポでサッカーをしてくるので、集中を切らさないこと。それをチーム全員でやっていかないといけない。個人としては、ボール奪取だったり、縦パスで貢献したいと思います」
「(相手は夏に)移籍してきた選手が何人か試合に出ていて、前線がより強力になっていると思いますが、自分たちがしっかり前からのプレスだったり、ハメていければ、前回ホームで勝利できたときのように勝てると思う。自分たち次第だと思います」
勇気を持ってアグレッシブに戦えるかどうかーー。それはペトロヴィッチ監督が毎回、選手に求める姿勢だ。高嶺も同様にアグレッシブさを出せるか否かが重要だと話した。
昨季、決勝で涙をのんだ札幌が狙うのは当然、優勝になる。今季のルヴァンカップは大幅なレギュレーション変更で決勝トーナメントは1回戦制だ。すなわち、あと3つ勝てば、念願の初タイトルを獲得できる。横浜FMとのゲームに勝って、4強入りを果たせるか。
「かつてない状況で、いま悪い流れがありますけど、ルヴァンカップで勝ち、リーグにもつなげていけるように全力を尽くしたい」
チームは8月、リーグ戦未勝利に終わった。状況を好転させるために、いま何より必要なのが勝利だろう。好循環を導くために、4強の扉を開くために、高嶺は強い決意で横浜FM戦に臨む。