上写真=8月25日のトレーニング中の永木亮太(写真◎KASHIMA ANTLERS)
内田が去った今「自分のできることをしっかりと」
「篤人くん(内田)がチームにもたらす影響はやはり大きくて…。突然のことだったので、自分も本当にビックリしてしまった。いきなり、ガンバ戦の次の日からいなくなる状況なので、まだ戸惑いがすごくあります…」
記者から、前節のG大阪戦を最後に現役から退いた内田篤人について聞かれ、永木亮太は開口一番にそう答えた。「永木亮太には、ビックリさせてやろうと思って(引退することを直前まで)言いませんでした」という内田の狙い通りになったようだが、永木は寂しさを拭いきれない様子だ。
「(試合出場)メンバーから外れたときの練習だったり、(試合に出た)スタメン組がリカバリーしているときの練習だったり、そういうときの篤人くんの存在は、普通の練習のときよりも特に大きくて。その練習には若手や、試合に絡めていない選手が多かったりするのですが、あの人がもたらす影響、かけてくれる声、練習を盛り上げる姿勢は、すごく大きなものでした。
試合中でも、試合以外のところでも、本当に篤人くんの存在は大きかったので、チームとして変化というのは多少出てくると思うけれど、前向きにやっていくしかないです」
内田がチームを去ったことで、永木ら1988年度生まれの世代は、フィールドプレーヤーでは85年度生まれの山本脩斗、レオ・シルバに次ぐ年長となった。同学年の遠藤康、伊藤翔とともに、チームをさらに引っ張っていく存在になることが求められるだろう。
「(内田と)同じことはできないけれど、これからは自分のできる限りのことをやっていきたい。それは自分のスタイルでいいと思うので。篤人くんのように(鹿島で3連覇を成し遂げたり、欧州で活躍したような)同じ背景はないわけですし。自分は、自分のできることをしっかりとやっていけたらと思います」
チームの大黒柱がいなくなったショックは、すぐに消えるものではない。永木のみならず、すべての選手にとっても同じことだろう。だが、すぐに次の試合はやってくる。26日には、G大阪戦から中2日で強豪FC東京とのアウェー戦に臨む。本来ならば11月に予定されていた第26節が、FC東京のAFCチャンピオンズリーグの日程により前倒しで開催されることになる。
「(7月26日に)対戦したばかりの相手なので、特徴などははっきり分かっています。このあいだはセットプレーで2失点してしまったので、それは反省点。(前回のFC東京戦以外にも)今年、すごくセットプレーでやられてしまっているので、それは集中してやっていかなければいけないところの一つです。FC東京は良いキッカーだったり、ターゲットになれる選手が多いので、注意しなければいけない。そのほかにもFC東京には頑張れる選手、球際に強い選手、フィジカルが強い選手がそろっているので、そこで負けていたら話にならない。まずは、そこをもっと強くいかなければいけません」
内田引退後の初戦。そんなときだからこそ、たくましい鹿島アントラーズの姿をファン・サポーター、そして内田篤人に見せるべく、永木は勝利を追い求める。