ヴィッセル神戸のDF初瀬亮が23日のJ1第12節・浦和レッズ戦で今季リーグ戦初先発を飾り、しっかり結果を残した。鋭い左クロスから先制ゴールをアシスト。4戦ぶりの勝利に大きく貢献した。

浦和戦で先制点をアシストしたDF初瀬(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月23日 J1リーグ第12節(@埼玉:観衆4,435人)
浦和 1-2 神戸
得点:(浦)トーマス・デン
   (神)小川慶治朗、山口蛍

「ファーサイドは空くと思っていた」

 ずっとチャンスを待っていた。リーグ戦出場の機会に恵まれなくても、腐らずに練習に打ち込み、来る日も来る日も持ち味であるキックの精度を高めてきた。そして、前節から10人の先発メンバーを入れ替えた浦和戦で、ようやく出番をつかむ。

「メンバーにも入れない時期があり、悔しい気持ちがあった。きょうはやってきたことをすべて出すだけでした。僕には失うものがないと思い、試合に臨みました」

 いざゲームが始まると、積極的に仕掛けていく姿勢が奏功。開始15分、左サイドからグラウンダーの高速クロスをGKとDFの間に滑り込ませる。ニアサイドに突っ込んできたFW藤本憲明の鼻先を通りすぎ、狙いどおりのファーサイドへ。そこに走り込んだFW小川慶治朗が楽々とゴールに押し込むシーンを見届けると、喜びを爆発させた。

「アシストにつながってよかったです。ノリ君(藤本)はニアサイドに突っ込んで触るのが得意なので、試合前から『速いクロスを入れていく』と話していたんです。たとえ、そこに合わなくても、ファーサイドは空いてくると思っていました。浦和の試合を見て、それは感じていたので」

 してやったりの先制ゴールと言ってもいいだろう。攻撃面では存分にアピールし、キック精度の高さをあらためて証明。左サイドから仕掛けていく積極性も相手に脅威になっていたが、満足はしない。

「まだ足りないものを伸ばしていきたい」

 試練のときを迎えている。昨季はJ2のアビスパ福岡へ期限付き移籍し、試合経験を積んだ。アカデミーから育ってきたガンバ大阪を離れて、完全移籍で神戸に来て2年目。ポテンシャルの高さは、年代別代表などで知られたところ。前途洋々な23歳の巻き返しに期待したい。

現地取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE


This article is a sponsored article by
''.