北海道コンサドーレ札幌のMFチャナティップが26日の横浜F・マリノス戦に向けてオンライン取材に応じた。チームは現在、リーグ戦で4戦未勝利で、鈴木武蔵の移籍による戦力ダウンを心配されているが、チャナティップは仲間にエールを送るとともに次節の勝利を誓った。

上写真=アシストを重ねているチャナティップ。横浜FM戦でも活躍が期待される(写真◎Getty Images)

武蔵の移籍は仲間としてうれしい

 サガン鳥栖戦が中止となり、1週間、試合の間隔が空いた。チャナティップは「体のことを考えれば、もちろん休めるのはいいこと」と語ったが、体をリフレッシュさせるとともに、頭の中もクリアにすることが必要となりそうだ。

 7月26日に横浜F・マリノスに快勝して以降、チームはリーグ戦で4試合勝利がない。負傷者が相次いだ影響も大きいが、先日、主軸を担ってきた鈴木武蔵が移籍した。チームにとって痛手だろう。ただ、ともに攻撃をけん引してきた仲間の移籍についてチャナティップは「うれしい」と話した。

「武蔵はすごく良い選手。本人の目標だったヨーロッパでプレーできること、そして活躍してくれれば、仲間としてうれしい。チームとして裏に抜けるプレーが減るかもしれませんが、そこは頑張るしかない」

 鈴木の移籍の影響は小さくないと認めつつも、チャナティップはあくまで前向きだった。

 これまでも鈴木抜きで完勝した試合がある。その一つが、前述の横浜FM戦(3-1)。マンツーマンの守備で相手の自由を奪い、ボール奪取から素早く攻撃を展開し、見事にゴールを重ねた。ピッチのあらゆるところで1対1を形成し、そこで互角以上に戦わなければ勝ち筋の見えないリスクも伴う戦い方だが、札幌は見事に機能させた。

 ペトロヴィッチ監督の狙いはゼロトップそのものにあるのではなく、守備面で相手を封じ、ボールを奪うや一気に前に出る戦い方にあったはず。そのために前線にはモビリティーに優れている選手を起用したかったというわけだ。チャナティップと駒井善成は、まさに前線に置くに打ってつけの人材と言えた。

 4戦勝利なしのチームが次節で戦うのは、再びその横浜FMになる。相手がACLに出場する関係で26日水曜日に試合が組まれた。

 むろん、今回も前回同様の戦い方ができるとは限らない。まず場所が異なる。気温も湿度もプレーしやすい札幌ドームではなく、酷暑の日産スタジアムだ。気候条件を考えれば、後半、運動量が落ちることは必至。人を捕まえ損ねて失点するリスクも高まるため、前回の戦い方をそのまま実践するわけにはいかないだろう。加えて、相手も前回の敗戦を分析し、対策を立てているはずだ。そのあたりを指揮官がどう考えるか。

「自分たちのできることをしっかりやらないといけないゲーム。相手はとてもいいチームだし、どのように対応するかまだ分からないけど、しっかりやるだけ」

 チャナティップはそう言って気を引き締めた。

「去年に比べて、(相手の)マークが厳しくなっているとは感じます。ドリブルを見たいサポーターの方もいると思いますが、最近はなかなかできません。ワンツーや裏に抜けるプレーが多くなっている」

 自身のマークが厳しくなっていることを感じつつ、より効果的なプレーを選択して、チャナティップはアシストを重ねてきた。チームファーストの姿勢で、今回の横浜FM戦に臨むことになるが、状況によってはそのドリブルワークが試合を決定づけるキープレーになるかもしれない。

「勝利を目指して、やるしかない」

 久々の勝利を手にできるか。チャナティップのプレーと、チームの選択が注目される。


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