上写真=明日23日のガンバ大阪戦が現役ラストマッチになる内田篤人(写真◎Getty Images)
ガンバは前半飛ばしてくる(ザーゴ監督)
前節、中2日で臨んだ横浜FCでは、攻め込みながらもゴールが遠く、6敗目を喫することになった。ただ、直近のリーグ戦で調子は上向いており、中3日という厳しい日程で迎える明日23日のガンバ大阪戦に向けて準備をしっかり整えている。連戦の中でアグレッシブに戦うことには難しさもあるが、ザーゴ監督はきっぱりと言い切った。
「プレッシングするということがわれわれのスタイル。それはどんな相手でも変わらない。練習から要求しているし、それはトレーニングしている。ただ、ガンバは前半からかなり飛ばしてくる相手なので、試合の入り方、立ち上がりのプレー強度が必要になる。インテンシティーをもって、テンポを速くしてプレーしないといけないと思っています」
ポイントはゲームの入り方。『飛ばす』相手をやり過ごせば、おのずとチャンスは訪れると指揮官は踏んでいる。
「ガンバの今のスタイルだと前半に飛ばして後半トーンダウンすることが見受けられるので、われわれはしっかりとした試合の入り方をしないとダメだと思っています」
まともに受けるのではなく、ボールをしっかり動かし、相手をいなしつつ、後半勝負へ。入り方を間違えなければ、勝機は十分。指揮官は青写真をしっかり描いていた。
G大阪戦で何より勝利がほしいのは、チームに多大な貢献をしてきた内田篤人のラストマッチになるからでもある。内田の現役引退について、ザーゴ監督は語った。
「彼自身は4年前ぐらいに大きな手術をして、なかな復帰ができず、いまやっと継続して練習できるようになりました。試合ができる状態に近づいてきたので、非常に残念に思います。優秀な選手はピッチに立つべきですから。技術的にもサッカーセンス的にも非常に優れたものを持っている。それをもう一度、アントラーズで見ることができるのではないかと思って、これまで準備を進めてきました。少しずつ段階を上げていって、今後も起用することを考えていたので、(今回の決定は)少なからずびっくりしましたが、ただ、その決断を尊重しなくてはいけない」
指揮官にとっても、内田の決断は驚きだったという。
「彼がいなくなって、何も変わらないと言ったらそれは嘘になる。あれだけの技術、能力、サッカーセンス、知性を持っている選手は少なく、そういう部分の痛手はある。ただ今後は、アントラーズやヨーロッパで9年間、高いレベルでプレーした経験や知識というものを、何らかの形で還元してもらえればなと思います」
内田篤人という日本を代表するサイドバックに敬意を表し、今後もサッカーに関わっていくことを期待した。そして、明日の試合の出場についての質問に答えて言った。
「先発でいくのか、後半からいくのか、残念ながらそこまで言うことはできません。ただ何らかの形で参加することはあるだろうと。こういう結果を出してきた選手は、最後もしっかり結果を出してやめたいだろうし、みんなもそれを達成するように努力するでしょう」
勝って、内田を送り出す。チームに関わるすべての人々の思いを、指揮官は代弁した。